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学生と看護職セミナー(二輪草セミナー)「自然の中から絵本ができた」実施報告

看護職キャリア支援 職場適応支援 九鬼 智子 

 7月6日に看護職キャリア支援センターと二輪草センターの共催事業として、学生と看護職セミナーを実施しました。自分らしく生きる異色の職業人であるあべ弘士先生を講師に招いて、テーマは「自然の中から絵本ができた」です。キャリア・生きがいとは何かを考え、自分らしく生き生きと働くためのキャリアデザインを考える機会となればと企画しました。
 あべ弘士先生は、1972年から25年間旭山動物園の飼育係として様々な動物を担当され、行動展示の夢を絵として残し旭山動物園復活のカギとなられました。1996年旭山動物園を退職し創作活動に専念、多くの著書を執筆されています。先生のほとんどの絵本は動物が主人公ですが、今回は『宮沢賢治「旭川。」より』をとりあげてお話しくださいました。宮沢賢治が旭川を訪れた時に残した、一編の詩「旭川。」は現在、旭川東高校に詩碑として残されていますが、先生が創作を加え、絵本となりました。
 講演ではまず「旭川。」の詩を読み解説いただきました。その後、絵本をもとに、絵本作成のきっかけとなったエピソード、当時の情景を詳しく調べて忠実に描くために構想13年書き始めて3年という年月を要して完成しており、非常に苦労した思い入れのある面白い作品に仕上がったことなどをお話しいただきました。絵本の優しい朗読を聞き、状況が鮮明に浮かび上がりました。宮沢賢治が見たであろう渡り鳥のオオジシギは絵本の中で「天に思いを届け、天の声を聞いて帰ってくる使者のようだ」と表現されており、重要なキーワードとして描かれていました。実際のオオジシギの飛来と迫力ある求愛行動の映像も見せていただきました。
 講演後は、質問にも答えてくださいました。①絵本に使用されている花や昆虫の意図は、登場人物が宮沢賢治だけでは面白くないので、場面構成、絵としての子役(脇役)を考え描いている。②イラストの創作エピソードについて、動物を描くのは難しいが、死後に解剖を手伝い骨格標本まで作り自然に勉強したことが、イラストを描くもととなっていて、特に動物の目を大事に描いている。③絵本作家になったきっかけは、もともと絵描きになりたく、自然と関わる仕事がしたいと思っていた。旭山動物園で働くことになり、仕事に没頭していたが、ポスター・看板・機関紙を書いているうちにだんだん動物の絵が描けるようになった。絵描きとしては回り道だったが、動物園の25年間は絵描きになるための近道だったと思える。
 講義後、「動物園も絵本も大好きで癒された」「キャリアについても可能性を感じられる良い講演でした」「温かくてほっこりする絵が大好きです」「久しぶりにのんびりと、命、動物、自然に浸ることができ心に余裕ができたような気がします」等のアンケートの感想がありました。先生のテーマは「命・動物・自然」でずっと変わっていないとお聞きし、飼育係、絵本作家と変化しても一つのものを大事に持ち続けている事はキャリア・生きがいにつながる大切なことであると実感しました。コロナの影響で延期されていた講演でしたが、参加された40名の方々はそれぞれにキャリア・生きがい・自分らしく生きることの意味を考える良い機会となったのではないでしょうか。あべ先生、お忙しい中、本当にありがとうございました。

               

 『宮沢賢治「旭川。」より』(あべ弘士文・画、BL出版)

 

受講後アンケートの結果

参加者の年代別割合

会場・Zoom参加別 所属

講演会を知ったきっかけ(複数回答有)

「令和3年度 実習指導者研修 基礎コース第1回」を開催しました

 7月3日(土)本学の遠隔医療センター3階研修室において「令和3年度 実習指導者研修 基礎コース第1回」を開催しました。

 これは、一昨年12月に調査した「看護職の実習指導に関わる研修企画調査」に基づき、看護学生の看護実践を指導する能力を高めることを目的として、本学看護職キャリア支援センターの教育プログラム開発部門において企画したものです。

 本研修は、基礎コース3回と実践コース1回の計4回で構成されており、対象者は、臨床現場で実習指導を担当している、または今後予定している看護職の方となります。第1回目の今回は、看護学講座の升田教授を講師として、「看護の概念」と「看護学生の理解と関わり方」について講義を行いました。

 昨年度は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、残念ながら学外の看護職の方への周知を断念し、感染予防対策を徹底の上、学内で実施しました。今年度は、本研修の基礎コース3回のzoomによるオンライン参加に限定し、学外の看護職の方へご案内できました。開講式の中で服部センター長から、講義のまとめの中で升田副センター長から、オンライン研修のメリットとして遠方からも参加可能となるというお話がありました。メリットを活かし、遠方からも含め24名のご参加がありました。

 受講者からは「リモートでの意見交換が上手くいくのか不安でしたが思っていたよりスムーズにいきました。」「zoomでの研修が初めてだったので、ディスカッションが難しかったです。」とオンライン研修の難しさの中でも、「学びの共有の時間があることで自分の気付き以外の考え方と接することが出来た。」などの声がよせられました。実習指導者として臨床現場での教育能力を高める大変有意義な機会となりました。