「令和3年度 助産師セミナー&交流会」を開催しました

開催状況(参加状況)
 本学は、看護学科の助産師課程を専攻し助産師に就いた卒業生を対象に助産師セミナー(以下、セミナー)を、また、同課程の専攻を希望、あるいは助産師職に興味を持つ在学生が本学卒業の助産師と交流できる助産師交流会(以下、交流会)を年度末に1度、企画・開催しています。
 2021年度は、ハイブリット方法により2022年3月9日(水)の午前にセミナーを、午後に交流会を実施しました。COVID-19感染によるまん延防止等重点措置中での開催ではありましたが、午前中にはオンラインで4名、対面(来学)により6名、計10名の助産師に、午後の交流会には在校生29名、先輩助産師7名の計36名にご参加いただき、有意義な時間を過ごしました。そこで、セミナーと交流会の様子を簡単にご紹介いたします。

助産師セミナー
 セミナーは、「初心者向け!超音波診断機器レクチャーセミナー」と題し、助産師外来デビュー前の助産師(診断機器の操作初心者)を対象に1時間の所要時間で企画しました。看護学科の巻島愛学内講師が診断機器の基本的な操作補法の基調講義(約15分)を行った後、機器操作の演習(約30分)を実施しました。使用機器は周産期全身実習モデル“はな”に胎児モデルをセットしたシミュレーター、超音波検査用胎児モデル1台、超音波診断装置Viamo₋sv7(canon製)2台を用いました。最後に質疑応答(約15分)により参加者の疑問等に対応しました。なかでも卒業期10期の助産師に、臨床での実際を想定したご指導・ご助言をいただきました。堅苦しい研修ではなく、卒業期は違えど診断機器の操作初心者集団らしく、笑顔の絶えない楽しい学びの機会となりつつも、操作手技の修得には真剣に望んでおられ、あっという間に時間が過ぎていった印象です。

助産師交流会
 助産師交流会は、午後の時間を用いて2時間30分間で企画しました。来学、あるいはZOOM参加による在学生(1年~4年)と助産師を、会場3つ分けて進行しました。
 はじめに、卒業直前の第4学年助産師課程履修生3名が交流会用にまとめた「助産師課程を経て学んだこと」について、代表学生1名から15分程度ご報告をいただきました。次に、「実習施設の紹介と助産師の魅力」を、旭川医科大学病院周産母子センターに勤務されている卒業期22期の助産師、森産科婦人科病院に勤務されている卒業期21期の助産師、それぞれから5分程度ご報告をしていただきました。その後は、在学生と助産師との交流の場を設け、対面とZOOMによる参加者グループを2会場で、対面による参加者のみのグループを1会場で進行させました。
 事後アンケ―トでは、80%近い在学生から“今後の学習に役立つ方法・アドバイスをもらえた”、“助産学を学ぶ意欲がわいた”との結果が得られ、助産師課程での実際の学び方や履修するための心構えに役立つ会となったようです。90%近い助産師からは“有意義な時間であった”との評価も受け、在学生および助産師どちらにとっても参加した意義を感じられた会になったようです。

2022年度は・・・
 セミナーでは、卒業生からの声を参考に、助産のコアとなる技術の一つ、フリースタイル分娩技術に関することで企画したいと考えています。交流会では、2021年度同様に在学生が先輩助産師と直接交流できる場づくりとなるよう、企画を継続する予定です。今後も在学生、助産師のみなさんからのご協力をいただきながら、2022年度も開催できるよう進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

演習の様子①
演習の様子②
卒業生からの報告①
卒業生からの報告②
多数のご参加ありがとうございました!

「令和3年度 保健師セミナー」を開催しました

令和4年3月14日(月)会場とZoom併用ハイブリット開催
参加者:看護学科1~4学年37名、1年目保健師5名

〇教科書では学べないことを学ぶ
本セミナーは、保健師課程の学習や就職活動、実際の保健師活動を知り、先輩後輩のネットワーク作りを目的としています。開催にあたり看護学科同窓会と看護職キャリア支援センターの協力を得て専門職業人としてキャリアを考える機会としました。開会挨拶では公衆衛生看護学領域の藤井教授から「先輩・後輩の交流を通して教科書では学べないことを学んでほしい」というメッセージが伝えられました。

〇zoom交流会で「保健師とは?」のイメージ化
午前の部は第4学年の保健師課程学生から報告「保健師課程の演習・実習の実際」とzoom交流会を行いました。保健師を志望したきっかけ、1年間の保健師課程の学習をどのように乗り切ったか、保健師は様々な地域へ就職するため就職活動への質問も多く出されたようです。

〇中標津保健所と東川町で働く2名の先輩の体験談
午後の部は「1年目保健師の体験」のシンポジウムを行いました。保健所で働く先輩からはコロナ対策最前線で日々感染者や家族の支援に携わる中で感じる難しさとやりがい、よりよい健康管理システム作りに向けて新人であっても意見を出せる職場環境や充実した教育体制が語られました。市町村で働く先輩は、地区を受け持ち住民に身近な存在として家庭訪問をしていること、子育ての相談では母親からの質問に対応しきれないときもあり、職場に持ち帰り先輩の力を借りて支援した体験、その土地でかわいがられる新人保健師から頼られる保健師へ成長したいという思いなどが語られました。

〇先輩・後輩の交流からキャリアを考える
セミナー後アンケートでは「保健師課程の生活だけでなく、市町村と保健所保健師の違いや就職する地域の決め手、就活などを知ることができました(1年生)」、「保健師課程の先輩や現在保健師として働いている先輩から実習内容、看護の勉強との両立、保健師のやりがいを聞いて保健師を目指したい気持ちに改めて気づくことができました(2年生)」、「看護師と保健師でずっと迷い続けていましたが、今日のセミナーで具体的なイメージができた様な気がします(3年生)」、「保健師に興味を持つ後輩の思いや先輩から貴重なお話を聞けてとても有意義な時間でした。1年後も楽しみにしています(4年生)」などの感想がありました。先輩・後輩の交流を通して自分のキャリアを考える時間となりました。

4年生報告「保健師課程の演習・実習の実際」
シンポジウム「1年目保健師の体験」

交流会の様子・・・本部は1年目保健師&4年生
         1-3年生はzoom参加

セミナー本部(看護学科棟6階実習室より配信)
会場に来てくださった1年目保健師の皆さん&4年生代表
最後に・・・ 1年目保健師交流会

R3年度保健師セミナー参加者集合写真

多数のご参加ありがとうございました
1年後はぜひ対面で語り合えることを祈って☆

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第3回「地域を紡ぐかんかんセミナー」を開催しました

2022年3月22日(火)17:45~19:00開催

 2022年3月22日(火)本院遠隔医療センター研修室にて「第3回地域を紡ぐかんかんセミナー」を開催いたしました。当初2月4日を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の適用により延期となっておりました。開催当日は人数制限やアクリル板の設置など感染防止対策を徹底し、本院会場とZOOMによるハイブリッド形式で開催いたしました。
 3回目となる今回のテーマは、第2回に引き続き「住み慣れた家で最期まで望む暮らしの実現に向けてPartⅡ」とし、前半は本院の清水知沙がん専門看護師より「終末期のせん妄ケア」についてのミニレクチャー、後半は第2回参加者から事例を募り「残された時間の過ごし方~本人と家族の思いが異なるとき~」について事例検討を行いました。参加者は訪問看護ステーション9事業所13名、病院看護職10名の計23名でした。旭川市周辺の他に釧路市、中標津町、芽室町、鹿追町、岩見沢市など遠方から多数の参加があり、ICTの活用はコロナ禍に限らず、広大な北海道では移動時間を気にせず気軽に参加できる有効な方法であると感じました。
 ミニレクチャーでは、終末期のせん妄は改善の見込みがないことが多く、体験している患者だけでなく患者をサポートしている家族も同様に辛い体験をしているため、準備因子・誘発因子・直接因子を見極め要因を取り除くことや、家族とせん妄について知識を共有する、対応について一緒に話し合う、辛い気持ちを受け止めるなどのケアが必要であることを学びました。
 事例検討では、公立芽室病院訪問看護師より事例紹介があり、その後5グループに分かれ意見交換しました。「本人・家族の思いが異なるときどうしているか」については、本人と家族で話し合える時間を作り思いをすり合わせる、本人家族どちらの気持ちも尊重し希望を叶えるための方法を考える、家族が悩んでいる背景にはどのような不安があるのか確認し解決する、状況の変化に伴い気持ちは揺らぐものであり気持ちがいつ変わってもいいことを伝える、辛い時はいつでも病院に戻っていいことを伝え気持ちの変化に寄り添うなどの意見がありました。また「状態が悪化の一途をたどり、本人や家族の嘆きや悲しみを受け止める場面で、傾聴することしか出来ない時に他にできることはないか」については、タッチングや家族も一緒にケアするなど同じ時間を共有する、辛かったことだけでなく楽しかった思い出を振り返る、家族が本人にありがとうと言える環境を作るなどの意見がありました。
 30分間という短い時間でしたが、病棟・外来・訪問看護それぞれの立場から活発な意見交換ができ、いろいろな解決策を共有し有意義な時間になりました。
 最後に、講師の清水知沙がん専門看護師から、患者と家族の思いは異なって当然、気持ちは揺らぐのも当然のことであり、傾聴することで患者家族の思考や感情が整理され、最後をどう迎えるかということにもつながってくるので傾聴はとても大切なことであるとアドバイスをいただきました。
 受講者からは、「顔が見えるとつながっている感じがある」「在宅看護の実際やケアの視点を考えることができた」「病院看護師と訪問看護師の連携や情報共有の場がもっとあるといい」「事例に関して事前に質問できるとよい」などの感想がありました。
 かんかんセミナーは令和4年度も継続予定です。みなさまのご意見を参考により有意義なセミナーを目指していきたいと思っております。今後もご参加いただければ幸いです。

受講後アンケートの結果