旭川医科大学看護職キャリア支援センター 副センター長の升田です。当センターのホームページにアクセスいただき、ありがとうございます。
さて、皆さんはご自分の「キャリア」についてどのように考えていますか?「キャリア」は一般的には仕事や経歴といった職業に関連した概念です。厚生労働省(2002)の報告書「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」によれば、キャリアには「人生キャリア(life career)」と「職業キャリア(professional/occupational/vocational career)」の2つの側面があり、キャリア形成は動機、価値観、能力を自ら問いながら、職業を通して自己実現を図っていくプロセスとされています。つまり、看護職で考えると、看護師経験を積み重ねて、自らの生き方を見つめ、「なりたい自分」に近づくことと言えます。
以前、看護学科学生と行った研究では、大学病院に勤務する看護師のうち、経験の短い方は「まだキャリアを考えるには早い」と答え、50歳以上の方は「今更キャリアアップは考えていない」と答えていました。しかし、上述したようにキャリア形成はその人の職業人としての人生すべてのプロセスに関与するものです。ご存知のとおり、看護師免許は更新制ではなく、一生のライセンスです。私たち看護職は年齢や経験によらず、全員が看護師としてのキャリアを歩んでいるのだと考えることができます。個々人の職業体験(ワーク)だけでなく、生活背景や置かれている立場(ライフ)の両側面から、どのようにキャリアを積み重ねていくのかを共に考え、支えるのが当センターの役割です。
また、まだライセンスがない看護学生もすでに職業人としてのキャリアを開始しています。将来看護師の資格取得が可能な看護学校・大学に進学を希望した段階で、職業人としての方向性を定めているからです。近い将来、同じ看護職として仲間となる学生の皆さんのキャリア形成も当センターでは応援したいと思います。
当センターは開設したばかりです。道東・道北地区の看護職・看護学生の皆さんのお役に立てるように、今後活動を充実させたいと考えています。皆様、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。