「2024年度 第1回 外国人患者対応能力向上に向けたワークショップ」を開催しました

 看護職キャリア支援センター教育プログラム開発部門では、昨年度好評でした『医療現場でのやさしい日本語』ワークショップを、今年度は11月5日に開催しました。今回のワークショップには、東川町立東川日本語学校に通うインドネシア、台湾、韓国、中国、ウズベキスタン出身の留学生8名に模擬患者としてご協力いただきました。参加者は、医師、看護職、薬剤師、看護学科教員、事務職、医学生、看護学生と、多岐にわたる職種14名でした。
 はじめに、看護職キャリア支援センター長、教育プログラム開発部門長である升田由美子先生より、『やさしい日本語』が医療現場でなぜ役立つのか、その背景と意義について講義がありました。また、相手が理解しやすい言葉に置き換える言語調整、相手に理解してもらいたいというマインドの大切さ、『やさしい日本語』のコツも紹介され、コミュニケーションを向上させるヒントが示されました。
 その後、ウォーミングアップとしてわかりやすい言葉や表現に言い換える練習をしました。「本日はどうなさいましたか?」を「今日はどうしましたか?」に、「保険証はお持ちになりましたか?」を「これ(イラストを提示し)はありますか?」に言い換えました。また、「湿布と鎮痛剤を処方します。鎮痛剤は1日3回、毎食後に服用してください」を、よりシンプルに「湿布(イラストを提示し)は、痛いところに貼ります。痛み止めはごはんの後に飲みます。1日3回です。」に言い換えました。さらに、「昨日、お通じとお小水は何回ありましたか?」を、「昨日、大きいのと小さいのを何回しましたか?」とより簡単でわかりやすい表現にしました。留学生の方々には、それらの言い換えが理解しやすいかどうかを〇と×のプレートで評価してもらいました。
 ロールプレイでは、腹痛で外来受診した患者のシナリオをもとに、受付から問診、検査から診察、診察後の対応を、『やさしい日本語』に言い換える練習を行いました。参加者からは、「留学生から直接フィードバックをもらえてとても役に立った」、「相手の反応を見ながらコミュニケーションができて楽しかった」、「直接やり取りすることでライブ感があった」、「どのように言い換えたら伝わるか考える機会になった」、など肯定的な声が上がりました。さらに、「現代のグローバル社会において非常に有益なイベントだった」、「実践の場で活用できる」、「認知症の方への伝え方にも応用できる」、といった意見が寄せられ、参加者の満足度は非常に高く、「毎年開催してほしい」という声もありました。
 模擬患者を体験した留学生の方々からは、「外国人への伝え方を改善しようという思いがしっかり伝わり、嬉しかった」、「医師や看護師はこれまで遠い存在と感じていたが、今回の参加で近く感じられた」、「楽しい時間を過ごし、貴重な経験であった」、「このイベントは非常に有意義である」、「新しく出会った方々と話せて楽しかった」、など、多くの素晴らしい感想が寄せられました。
 短時間ではありましたが、お互いの交流が深まり、笑顔あふれる楽しいワークショップとなりました。ご協力いただいた東川町立東川日本語学校の留学生の皆様、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

留学生の方々との事前打ち合わせ
言い換え問題によるウォーミングアップ①
ロールプレイ場面①
ロールプレイ場面③
ロールプレイ場面⑤
ロールプレイ後留学生の方からの感想
升田由美子先生による講義
言い換え問題によるウォーミングアップ②
ロールプレイ場面②
ロールプレイ場面④
ロールプレイ場面⑥
終了後、記念撮影
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