令和2年度~3年度 事業報告書を作成しました

「旭川医科大学 看護職キャリア支援センター 令和2年度~3年度 事業報告書」を作成しました。当センターの活動を記録した内容となっておりますので、ぜひご覧ください。

「令和3年度 実習指導者研修実践コース」を開催しました

 実習指導者研修 実践コースは、臨地看護学実習での実習指導者のシャドーイングを通し、基礎コースの講義での学びを体験と結び付けることで学びを深める研修として企画し、今年度より基礎看護学実習Ⅱのほか、新たに成人看護学実習Ⅰ・Ⅲも取り入れ、研修者が希望領域で研修が行えるよう考慮し開催しました。今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため学内の看護職のみを対象とし、研修者7名が修了しました。
 研修は臨地看護学実習を行う看護学生の1日の流れに沿って実施し、研修中には直接看護学生とコミュニケーションをとる機会や実習指導者に対し自身の質問をする時間もありました。学びの共有やアンケートでは、「学生の様子や指導方法を見ることができ自信につながった」「学生への関り方やアプローチの仕方を身をもって学ぶことができた」「実習指導の具体的なイメージがついた」などの意見や感想が聞かれました。また、研修者の対応をした実習指導者からも「自分自身が学生と関わる時に大切にしていることを振り返る良い機会になった」「研修者の不安な点、疑問を知り、新しく学生指導を行うスタッフの思いを知ることができた。自部署のスタッフへのアドバイスにも活かせると感じた」などの感想がありました。研修者は基礎コースの知識から実践コースの体験で実習指導者としての新たな気づきや具体的なイメージにつながり、また、実習指導者にとっては自身の指導者としての振り返り、再認識する貴重な機会となりました。

開催日
・基礎看護学実習Ⅱ    2021年10月27日(水)・28日(木)
・成人看護学実習Ⅰ・Ⅲ  2022年1月27日(木)

研修者(左)と実習指導者(右)の意見交換をしている様子
看護学生と実習指導者(左から2人目)、看護学科教員とのミニカンファレンスに参加している研修者(左端)
病棟での実習見学後の学びの共有の時間(看護学科教員と研修者)
実践コース閉講式 修了証授与の様子

研修のアンケート評価

主な感想
・学生指導者としての学びはもちろん、看護師としても大変よい体験だった
・のびのび実習している学生の姿がほほえましく、そのような実習の場を作っている指導者の姿も素敵だなと感じた
・今回の研修を踏まえ実習指導者を担った際には力を発揮したいと思う

「看護学科と看護部の教育人事交流報告会」を開催しました

 この度、初めての看護学科と看護部の教育人事交流報告会を3月15日に開催いたしました。看護学科と看護部の教育人事交流は、看護学科教員が大学病院へ、看護部看護職が看護学科へ一定期間赴き、看護学科教員の看護実践能力向上と看護部看護職のアセスメント能力・教育力向上を図り、看護の質向上に資することを目的としています。
 教育人事交流は運用システムを構築し、2021年10月からスタートしました。看護学科からは高齢者看護学領域所属の野中雅人先生が5階西ナースステーションへ、看護部看護職からはICU所属の滝本梨奈さんが成人看護学領域に赴き、各々の交流計画に基づき学びを深めました。教育人事交流報告会は、新型コロナ感染防止対策のためZoomを併用したハイブリッド形式で行い、関係者10名を除き、32名(Zoom19名、会場13名)の出席がありました。  
 野中先生は高齢患者に対する臨床看護の実際に加え、がん放射線療法看護認定看護師の資格を活用して、がん患者に対する放射線療法看護の実践やスタッフへの相談・指導などを実践しました。今後は、大学病院における高齢がん患者に対する治療や看護の学びを高齢者看護の教育に活かしていきたいと報告されました。会場から「教育と臨床の繋がりを感じた」ことへの質問があり、「大学教員になって看護基礎教育の実際を知り、今回、臨床で若い看護師の実践を見たときに手技や知識の具体的な活用が理解できた」と述べました。また、Zoomからも「人事交流で臨床に臨むこと」への質問があり、「教育人事交流者の目的にそった協力が重要」と話されました。人事交流を受け入れた5階西ナースステーションの三浦師長からは、スタッフ等と良い関係をつくり積極的に実践していたことや交流期間等の関係で交流計画にそった業務調整が難しい側面があったことから、臨床と交流者の打ち合わせが重要であるとのご意見をいただきました。
 滝本さんは3週間の成人看護学実習Ⅰ(急性期)に参加し、臨床指導者や教員の視点で臨床指導を行うとともに、実習企画や運営等の全体像の理解、実習前後での学生の反応やレポートから振り返りを実践しました。コロナ禍によりmanabaを活用したオンライン実習や病棟実習時間の短縮、患者との対話時間が制限されるなどの現状から、実習体制の工夫や学生への配慮などについて臨地実習の課題や学びを報告しました。会場から「今後の実習指導においての注意点」の質問があり、「学生に寄り添って学生の気持ちを理解することが重要」と述べました。人事交流を受け入れた成人看護学領域の阿部教授からは、コロナ禍における学生と接する姿を見て、学生への声かけや寄り添い方など教員としても学ぶことがあったとの感想をいただきました。
 野中先生、滝本さんには教育人事交流終了直後という状況に加え、年度末のお忙しい中で報告会の準備をしていただき心より感謝申し上げます。
 旭川医科大学看護学科と大学病院看護部が連携して教育人事交流を行うことで、看護職の効率的・継続的な専門能力の習得と向上が図られ、看護職のキャリア開発につながるものと考えます。教育人事交流事業に興味を持たれた看護教員・看護職の方は、所属上司にご相談の上、是非、申請をしていただきたいと思います。スタートしたばかりの教育人事交流事業ですが、今後さらに充実し発展できますよう皆様のご協力をお願い申し上げます。

報告者 看護学科高齢者看護学領域 野中雅人 先生
交流部署 5階西ナースステーション 三浦美佳 看護師長
報告者 ICUナースステーション 滝本梨奈 さん
交流部署 看護学科成人看護学領域 阿部修子 先生
開催挨拶 服部ユカリ センター長
閉会挨拶 原口眞紀子 副センター長
司会進行 児玉真利子 部門長

「第2回外国人患者対応能力向上に向けた講演会」を開催しました

 昨年9月の第1回に続き、3月1日に第2回 外国人患者対応能力向上に向けた講演会を開催しました。
 看護職キャリア支援センター 教育プログラム開発部門では、多様な文化や価値観を理解し外国人患者に対応できる看護職の育成を目標に講演会を企画しています。今回は第2回として、国境なき医師団の活動経験のある本学看護学講座 杉山 結理助教から「後発開発途上国で生きる人々への医療活動」をテーマにご講演いただきました。
 講演は国境なき医師団の社会的活動の紹介や、実際に活動された中央アフリカ共和国・コンゴ民主共和国の生活や医療の実際を動画や写真を通しお話いただき、医療や健康は社会的要因に大きく左右されることを改めて感じる貴重な機会となりました。先生の活動経験を講演会の目的である外国人患者に対応する場合に置き換え、共通する基本となる考え方を伺うことができました。また、事前の質問や講演会での質問に関し、先生の経験や日常から心がけていることを聞くことができ、参加者からも「その国々の社会情勢や個人の生活背景・価値観等を把握し関わっていくことの重要性を学んだ」「海外で貢献したいという気持ちを高めることができた」等の感想がありました。
 開催は、会場とZoomによるハイブリッド形式で行い、学内の他、学外からの参加もあり、国際医療に対する関心の高さが伺え、「第2段を楽しみにしています」「また聴講したい」という意見も多数いただき、今後の部門活動に活かしていきたいと思います。
 ご講演いただいた杉山先生、国際医療や後発開発途上国の現状をご自身の経験から、実際の医療現場に反映できるよう文化の違いなどをわかりやすくお話していただき、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

講演の様子①
講師 看護学講座 杉山結理 助教
講演の様子②
開催挨拶 服部ユカリ センター長
閉会挨拶 原口眞紀子 副センター長
司会進行 升田由美子 部門長
参加者からの質問