第3回「地域を紡ぐかんかんセミナー」を開催しました

2022年3月22日(火)17:45~19:00開催

 2022年3月22日(火)本院遠隔医療センター研修室にて「第3回地域を紡ぐかんかんセミナー」を開催いたしました。当初2月4日を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の適用により延期となっておりました。開催当日は人数制限やアクリル板の設置など感染防止対策を徹底し、本院会場とZOOMによるハイブリッド形式で開催いたしました。
 3回目となる今回のテーマは、第2回に引き続き「住み慣れた家で最期まで望む暮らしの実現に向けてPartⅡ」とし、前半は本院の清水知沙がん専門看護師より「終末期のせん妄ケア」についてのミニレクチャー、後半は第2回参加者から事例を募り「残された時間の過ごし方~本人と家族の思いが異なるとき~」について事例検討を行いました。参加者は訪問看護ステーション9事業所13名、病院看護職10名の計23名でした。旭川市周辺の他に釧路市、中標津町、芽室町、鹿追町、岩見沢市など遠方から多数の参加があり、ICTの活用はコロナ禍に限らず、広大な北海道では移動時間を気にせず気軽に参加できる有効な方法であると感じました。
 ミニレクチャーでは、終末期のせん妄は改善の見込みがないことが多く、体験している患者だけでなく患者をサポートしている家族も同様に辛い体験をしているため、準備因子・誘発因子・直接因子を見極め要因を取り除くことや、家族とせん妄について知識を共有する、対応について一緒に話し合う、辛い気持ちを受け止めるなどのケアが必要であることを学びました。
 事例検討では、公立芽室病院訪問看護師より事例紹介があり、その後5グループに分かれ意見交換しました。「本人・家族の思いが異なるときどうしているか」については、本人と家族で話し合える時間を作り思いをすり合わせる、本人家族どちらの気持ちも尊重し希望を叶えるための方法を考える、家族が悩んでいる背景にはどのような不安があるのか確認し解決する、状況の変化に伴い気持ちは揺らぐものであり気持ちがいつ変わってもいいことを伝える、辛い時はいつでも病院に戻っていいことを伝え気持ちの変化に寄り添うなどの意見がありました。また「状態が悪化の一途をたどり、本人や家族の嘆きや悲しみを受け止める場面で、傾聴することしか出来ない時に他にできることはないか」については、タッチングや家族も一緒にケアするなど同じ時間を共有する、辛かったことだけでなく楽しかった思い出を振り返る、家族が本人にありがとうと言える環境を作るなどの意見がありました。
 30分間という短い時間でしたが、病棟・外来・訪問看護それぞれの立場から活発な意見交換ができ、いろいろな解決策を共有し有意義な時間になりました。
 最後に、講師の清水知沙がん専門看護師から、患者と家族の思いは異なって当然、気持ちは揺らぐのも当然のことであり、傾聴することで患者家族の思考や感情が整理され、最後をどう迎えるかということにもつながってくるので傾聴はとても大切なことであるとアドバイスをいただきました。
 受講者からは、「顔が見えるとつながっている感じがある」「在宅看護の実際やケアの視点を考えることができた」「病院看護師と訪問看護師の連携や情報共有の場がもっとあるといい」「事例に関して事前に質問できるとよい」などの感想がありました。
 かんかんセミナーは令和4年度も継続予定です。みなさまのご意見を参考により有意義なセミナーを目指していきたいと思っております。今後もご参加いただければ幸いです。

受講後アンケートの結果

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