「看護学科と看護部の教育人事交流報告会」を開催しました

 この度、初めての看護学科と看護部の教育人事交流報告会を3月15日に開催いたしました。看護学科と看護部の教育人事交流は、看護学科教員が大学病院へ、看護部看護職が看護学科へ一定期間赴き、看護学科教員の看護実践能力向上と看護部看護職のアセスメント能力・教育力向上を図り、看護の質向上に資することを目的としています。
 教育人事交流は運用システムを構築し、2021年10月からスタートしました。看護学科からは高齢者看護学領域所属の野中雅人先生が5階西ナースステーションへ、看護部看護職からはICU所属の滝本梨奈さんが成人看護学領域に赴き、各々の交流計画に基づき学びを深めました。教育人事交流報告会は、新型コロナ感染防止対策のためZoomを併用したハイブリッド形式で行い、関係者10名を除き、32名(Zoom19名、会場13名)の出席がありました。  
 野中先生は高齢患者に対する臨床看護の実際に加え、がん放射線療法看護認定看護師の資格を活用して、がん患者に対する放射線療法看護の実践やスタッフへの相談・指導などを実践しました。今後は、大学病院における高齢がん患者に対する治療や看護の学びを高齢者看護の教育に活かしていきたいと報告されました。会場から「教育と臨床の繋がりを感じた」ことへの質問があり、「大学教員になって看護基礎教育の実際を知り、今回、臨床で若い看護師の実践を見たときに手技や知識の具体的な活用が理解できた」と述べました。また、Zoomからも「人事交流で臨床に臨むこと」への質問があり、「教育人事交流者の目的にそった協力が重要」と話されました。人事交流を受け入れた5階西ナースステーションの三浦師長からは、スタッフ等と良い関係をつくり積極的に実践していたことや交流期間等の関係で交流計画にそった業務調整が難しい側面があったことから、臨床と交流者の打ち合わせが重要であるとのご意見をいただきました。
 滝本さんは3週間の成人看護学実習Ⅰ(急性期)に参加し、臨床指導者や教員の視点で臨床指導を行うとともに、実習企画や運営等の全体像の理解、実習前後での学生の反応やレポートから振り返りを実践しました。コロナ禍によりmanabaを活用したオンライン実習や病棟実習時間の短縮、患者との対話時間が制限されるなどの現状から、実習体制の工夫や学生への配慮などについて臨地実習の課題や学びを報告しました。会場から「今後の実習指導においての注意点」の質問があり、「学生に寄り添って学生の気持ちを理解することが重要」と述べました。人事交流を受け入れた成人看護学領域の阿部教授からは、コロナ禍における学生と接する姿を見て、学生への声かけや寄り添い方など教員としても学ぶことがあったとの感想をいただきました。
 野中先生、滝本さんには教育人事交流終了直後という状況に加え、年度末のお忙しい中で報告会の準備をしていただき心より感謝申し上げます。
 旭川医科大学看護学科と大学病院看護部が連携して教育人事交流を行うことで、看護職の効率的・継続的な専門能力の習得と向上が図られ、看護職のキャリア開発につながるものと考えます。教育人事交流事業に興味を持たれた看護教員・看護職の方は、所属上司にご相談の上、是非、申請をしていただきたいと思います。スタートしたばかりの教育人事交流事業ですが、今後さらに充実し発展できますよう皆様のご協力をお願い申し上げます。

報告者 看護学科高齢者看護学領域 野中雅人 先生
交流部署 5階西ナースステーション 三浦美佳 看護師長
報告者 ICUナースステーション 滝本梨奈 さん
交流部署 看護学科成人看護学領域 阿部修子 先生
開催挨拶 服部ユカリ センター長
閉会挨拶 原口眞紀子 副センター長
司会進行 児玉真利子 部門長
ページの先頭に戻る 新着情報