初年次セミナー「看護の世界」実施報告

看護職キャリア支援 職場適応支援担当
看護職キャリア支援センター 平瀬 美恵子

 看護学科第1学年の必修科目 初年次セミナー「看護の世界」は、看護職キャリア支援センターと二輪草センターとの共催事業として実施しており、3回目となる今年は4月21日に及川賢輔教授のコーディネートのもと、学生の半数が教室での対面とZoomを用いたオンラインでハイブリッド開催しました。
 「看護の世界」は現在業務に従事している看護職が看護学科学生に向け、実際の仕事内容やそこに至るまでのキャリア、自身の経験ややりがいなどを伝える講義です。
 当院6階西ナースステーション 看護師 林 恵梨花さんから、看護師を目指したきっかけや看護師業務のほか、看護師としてやりがいを感じたことを終末期の事例を通し、患者さんやそのご家族の希望に沿って看護実践されたこと、その実践を看護研究としてまとめ学会発表されたことのお話をしていただきました。新人の時の苦い経験を通し失敗から成長すること、チームで一緒に考えるスタッフがいること、患者さんを一人の人間として知ることのほか、看護以外のことも大切にしてほしいことなど学生さんにメッセージをいただきました。
 当院周産母子センター 助産師 出村 唯さんからは、小さなころから助産師になるのが夢だったこと、旭川医科大学看護学科での助産師専攻、助産師の仕事、ご自身が取り組んでいることのペリネイタル・ロス(周産期において、流産や死産または新生児での死亡などで子どもを失くすこと)のケアについて学会発表されたことをお話いただきました。現在、さらに探求するため当大学大学院医学系研究科修士課程看護学専攻に進学されたこと、目指す助産師像についてもお話をいただきました。
 保健師については残念ながら都合によりご参加いただけなく、もと旭川市保健所 池田真由美さんの2年前に講義していただいた動画の視聴となりました。行政保健師の仕事を、予防的視点が主になり病気にならないように指導することを話されていました。住民全体が対象となり、病気の有無にかかわらず地域住民の暮らしといのちを守る、地域を丸ごと看護する、地域全体の健康を向上させることと話されていました。住民に気づきを促し自身で改善を図るよう対象の力を引き出すかかわりの重要性を、具体的でイメージしやすいように伝えられていました。また、「病気になる前にできることがあるのではないか。退院後の生活を支えたい。」と保健師になる動機も伝えていただきました。
 学生の皆さんは真剣に聴講し、対面の教室やZoomでの出席者からも積極的な質問が出ていました。講義後のレポートでは、「失敗がダメなのでは無く、その後どうして行くか、どうしたら良かったのかを先輩や色々な方にアドバイスをもらって成長していく事が大切だと学んだ。」「自分のやりたいことの実現にはいろいろな道があると感じたので、これからゆっくり決めていきたいと思いました。」など多くの感想がありました。
 講義は学生の皆さんの将来の看護職の具体的イメージを描くことにつながり、看護職としてのキャリアを考える機会になったと思います。講師の方には、COVID-19感染症や4月という年度初めで病棟業務が多忙な時期にもかかわらず、看護職の魅力を発信していただき、ありがとうございました。

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