「看護学科教員と看護部看護職の看護研究をすすめるための交流会」を開催しました

 看護学科教員と看護部看護職による看護研究をすすめるための交流会が令和5年7月24日に実施されました。交流会の内容は、旭川医科大学病院9階西ナースステーションの佐川雄太副看護師長によるミニレクチャーとグループワークを行いました。参加者は看護学科教員4名、看護部看護職8名でした。
 最初に佐川副看護師長から「研究に取り組んだ理由や動機」をテーマに15分間のお話がありました。ご自身が最初に看護研究をしようと思った動機は、先輩からの「一緒に研究をしよう」という誘いからだったそうです。共同研究者として軽い気持ちで看護研究に足を踏み入れたものの、数年後には3年目研究の指導担当に抜擢されるまでになりました。研究活動を継続的に行うメリットとしては、看護に対して感覚でやっていたことが根拠をもった考えとなることや研究的な視点が身についたということでした。この視点をもつことにより看護現象に対して分析的な評価ができるようになったということです。一方で、研究は時間や労力を要すること、自分の考えを言葉で表現する語彙力の難しさを痛感するなどのリスクも経験されていました。最後に看護研究の魅力を登山に例えてお話しされました。「登山中は疲労が蓄積して辛い、しかし途中には花や小動物などの発見がある。登頂した時の充実感と達成感、これはいつまでも残り、そして再び登りたくなる。看護研究も同じように続けたくなる」と示されていたことが大変印象に残りました。
 次に看護学科教員と看護部看護職によるグループワークが30分程度行われました。1グループ4名で3グループ構成されました。「どうしたら看護研究に取り組めそうか」をテーマに意見交換し、各グループで話し合われた内容を3分程度で発表し、参加者全員で看護研究に対する考えを共有しました。
 【Aグループ】研究が何故できないのかという視点から話し合った。倫理委員会申請のハードル、研究をどのように進めていくのかという手順、日々の業務の忙しさに流されてしまうという意見があった。対応としては、仲間や研究経験者を活用すること、研究に関するセミナーや研修に参加し研究のイメージをもつこと、業務から感じた疑問をどう展開していくか考えること等が挙げられた。【Bグループ】コロナ禍により学会参加の機会が無くなってきた。まずは学会への参加の声掛けや日程を明確にしていく。また、クリニカルラダーに看護研究があるが、そこの能力が課題となっている。大学院修了者や看護教員との横断的な連携を図るなど人の活用が効果的である。さらに、研究をするための余力をつくることも大切である。【Cグループ】看護研究を進めて行く上で上司に相談すると「研究の形になる」とのアドバイスを受けたが、そこから自分で研究を深めようと思っても頭が混乱するばかりで進まなかった。今日のグループワークでメンバーから研究の形となるヒントを色々ともらえた。
 全体発表を受けて佐川副看護師長からは、看護研究に取り組むために誰とやっていくかという仲間や共同研究者の存在の必要性が示されました。また、旭川医科大学看護職キャリア支援センターの副センター長の山根由起子教授からは、同センターに看護研究に関する相談窓口があることが紹介されました。
 参加者のアンケートでは、「研究を進める流れや展開が知れて良かった」「研究経験者の人材活用など新たな視点を得ることができた」「臨床側・大学側双方の思いを聞けて良かった」「勇気を出して研究に取り組んでみようと思った」などの記載がありました。さらに「一緒に話ができて楽しかった」との感想が複数ありました。交流会の開催時期及び時間については回答者の全てが適切と答えていました。
 1時間の交流会でしたが、参加者の一人ひとりが看護研究へ一歩を踏み出す体験になったことでしょう。

ミニレクチャーの様子①
グループワークの様子①
グループワークの様子③
ミニレクチャーの様子②
グループワークの様子②
グループワークの様子④

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