令和5年度 初年次セミナー「看護の世界」実施報告

 初年次セミナーは、看護学科1年生が大学での学びの方向付けができることを目的とした必修科目です。その中で「看護の世界」は、現場の看護職が仕事ややりがい、キャリアなどを伝える講義です。今年度も及川賢輔教授にコーディネートいただき、看護職キャリア支援センターと二輪草センターの共催事業として4月20日に実施しました。
 当院7東病棟看護師、鈴木美咲さんは、ご家族の病気をきっかけに看護師の道を志しました。「家に帰って身辺整理をしたい」という患者さんの願いを叶えた経験は、患者さんやご家族の思いを大切にしたいというご自身の目指す看護を見つめることにつながりました。また、看護師は、患者さんの変化に一番に気づくことができ、患者さんの意思決定を支援し、多職種の懸け橋になるなど多くのやりがいをお話しいただきました。
 当院7西病棟看護師、佐藤光さんは、排泄に関わる専門的知識を学び、通常の業務とは別に排尿自立支援加算やストーマサイトマーキングでのコスト算定などに関わっています。ご家族から「最期を看取ってくれたのが光ちゃんで良かった」と言葉をかけてもらったエピソードから、看護師の仕事は、しんどいこともあるが報われる瞬間もあるとお話しいただきました。また、多職種とともに患者さんの最善を考えるチーム医療の実践に達成感があり、それがやりがいにつながることも伝えていただきました。
 当院周産母子センター助産師勝見真衣さんは、中学生の頃に受けた助産師の授業で、赤ちゃんが育つ奇跡に魅せられ助産師を志しました。助産師は、妊婦さん、産婦さん、赤ちゃんや産後のお母さんのケアに加え、マタニティフォトの撮影や消防士さんへの学習会など幅広く活躍していることをお話しいただきました。学生の方からは、助産専攻に関わること、赤ちゃんが亡くなってしまったときのケア、あるいはコロナ禍でのケアに関わる質問があり、リモートでの立ち合い分娩や産後の母子のスカイプ面会の取り組みも紹介いただきました。
 旭川市保健所村岡弘江さんからは、入庁からこれまでのご自身の経歴から行政の場で働く保健師についてお話いただきました。健康管理課、介護保険課、保健指導課、保健総務課、健康推進課など複数の業務がありますが、行政で働く保健師の役割として、地域を丸ごと看護する、すなわち、地域に暮らす人々の暮らしと命を守るという視点で地域全体を丸ごと捉えて判断する総合力が必要であることを説明いただきました。
 講義後のレポートでは「チームとして多職種と協力していくことが分かった」「退院後の患者さんのことを考えるなど思っていた以上に看護が広いことを知った」「男性の看護師からの話を聞けて良かった」「終末期の患者さんへの関わりを学ぶことができた」「助産師の仕事が分娩介助だけではないことを知った」「助産師を専攻するのは大変と伺ったが頑張りたい」「保健師の仕事の幅広さに驚いた」「保健師には法律やデータ分析などの知識が必要であることを知った」などの記述がありました。
 講師の皆様には、ご自身のご経験や大事にしている看護を通して、看護職の魅力を伝えて頂きました。お忙しい中本当にありがとうございました。

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