「第2回 外国人患者対応能力向上に向けた講演会」を開催しました

 2月20日に、第2回 外国人患者対応能力向上に向けた講演会を開催しました。看護職キャリア支援センター 教育プログラム開発部門では、多様な文化や価値観を理解し外国人患者に対応できる看護職の育成を目標に講演会を企画しています。今回は、順天堂大学大学院医学研究科医学教育学 教授 武田裕子先生を講師にお招きし、医療で用いる「やさしい日本語」をテーマにご講演頂きました。「やさしい日本語」とは、相手に合わせて、分かりやすく伝える日本語を指します。日本語を母語としない方、高齢者、障がいのある方など、様々な方に用いられます。武田先生は在留外国人の健康格差の改善に向けて、医療機関における「やさしい日本語」の普及に取り組まれています。講演会には、看護職、医師、教員をはじめ事務職員、また、学外からも参加があり、関心の高さがうかがえました。
 講演では、写真や動画を通して、「やさしい日本語」が生まれた背景や、なぜ医療で必要か、役立つかについてのお話しから、「やさしい日本語」を実際に使用する際のコツについてもお話し頂きました。「やさしい日本語」の練習問題を体験し、表現の変更の難しさを実感しましたが、先生からは、何を質問したいのか、その状況を考えながら質問すると伝わりやすいと助言を頂きました。また、理解できる日本語のレベルは一人ひとり異なるため、相手の状況に合わせつつ、本当に伝わっているのか、相手の表情を観察することが大切とも教えて頂きました。講演後には、ミャンマー出身の留学生に模擬患者のご協力を頂き、シナリオを用いて、実際に「やさしい日本語」を使用したロールプレイを体験しました。実際の臨床場面を想定し、「やさしい日本語」を用いて、日本語を母語としない患者さんに鎮痛薬の使用方法や副作用について説明する体験をしました。率直に難しさを感じましたが、模擬患者からフィードバックを得て実践することができました。武田先生からは、訓練が必要であること、繰り返し実践することで理解できることがあると助言を頂きました。重要なことは、言葉の言い換えやスキルではなく、相手のことを理解したいという気持ちであり、相手への配慮が「やさしい日本語」となり、より良い対話につながることを学びました。今後、日本語を母語としない方との対話の際、または、高齢者、障がいのある方など、様々な方との対話に活かしていきたいと思います。
 ご講演頂いた武田裕子先生、日々のご経験から、実際の医療現場で活用できる具体的な「やさしい日本語」についてわかりやすくお話して頂き、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

講師 順天堂大学大学院医学研究科医学教育学 教授 武田裕子先生
講演スライド
講演の様子
ロールプレイの様子

受講後アンケートの結果

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