「令和6年度 医療的ケア児支援講演会」を開催しました

 看護職キャリア支援センター教育プログラム開発部門では、今年度より医療的ケア児支援における指導的立場等の看護師の研修プログラムの開発と地域におけるネットワーク作りを目指す、「医療的ケア児の未来を拓く北の架け橋プロジェクト」の活動を開始しました。その活動の一環として、旭川市内及び近郊の小中学校における医療的ケア児の支援体制を知ることを目的とした、「ここからはじまる・ひろげる~医療的ケア児をつなぐネットワークづくり」をテーマに、令和6年度医療的ケア児支援講演会をハイブリット形式で開催しました。対象は、保健・医療・福祉職、教育職、保育士、行政機関職員、学生等とし、4名の講師からご講演をいただきました。参加者は、会場参加77名、Zoom参加113名と多くの方にご参加いただき、北海道外からの参加者もいらっしゃいました。

 はじめに、旭川医科大学病院周産母子センター長・教授 長屋建先生から「医療的ケア児について~みんなで支える社会に~」をテーマに、医療的ケア児とご家族の実態、必要な支援と政策についてご講演がありました。その中で「医療的ケアは子どもの特性のひとつ」「医療的ケアだけでなく子どもひとり一人に必要な支援がある」と話されていたことが、医療的ケア児の支援において非常に重要であり、多くの参加者の心に残りました。北海道療育園旭川市医療的ケア児等総合相談室コーディネーター 田邊まこと様からは、旭川市医療的ケア児等総合相談室の活動についてご講演がありました。その中で話された、医療的ケア児とご家族の困りごとに対して個別にサポートを実施するうえで、「相談室は伴奏者であり、ライフステージによって変化するサポートを一緒に考える」ということが印象深く、故に、子どもひとり一人に必要な支援に繋がっていることが理解できました。旭川市小中学校看護師 宮下薫様からは、学校における医療的ケア児支援の実際についてご講演がありました。旭川市小中学校の医療的ケア児の現状、医療的ケア児の学校生活と学校看護師の活動、学校看護師としてのやりがいについて話され、学校看護師の役割について多くの方が知る機会となりました。最後に、本学看護職キャリア支援センター教育プログラム開発部門 原口眞紀子部門員より「医療的ケア児の未来を拓く北の架け橋プロジェクト」について説明がありました。本プロジェクトは、地域連携・協働による医療的ケア児支援を目指す「旭川モデル」として、看護職キャリア支援センターが旭川市教育委員会、旭川市医療的ケア児等総合相談室、北海道療育園等の医療的ケア児支援に関連する諸機関、教員養成大学、本学病院医療的ケア児支援専門委員会と連携・協働して取り組んでいくプロジェクトであることを、多くの方々に知っていただく機会となりました。

 参加者からは、「医療的ケア児やその環境についての知識を深めることができた」「学校看護師の役割についての理解が深まった」「医療的ケアを必要とする子どもが安心して過ごせる体制が作られることを願っています」など多くの感想をいただきました。また、参加者から多くの質問があり、意見交換の場ともなりました。今回の講演会には、保健・医療・福祉職、教育職、保育士、行政機関職員、学生(高校生・専門学校生・大学生)と幅広い職種の方が参加され、それぞれの立場で医療的ケア児支援に関わる多職種の専門性について理解するとともに、支援の在り方について考える機会になったのではないかと思います。そして、この講演会が医療的ケア児支援のネットワークづくりの第一歩になりましたら幸いです。
 ご講演いただいた、長屋建先生、田邊まこと様、宮下薫様、ご協力いただいた旭川市教育委員会の皆様、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

司会:旭川医科大学 看護職キャリア支援センター 教育プログラム開発部門 森 浩美 准教授
「医療的ケア児について~みんなで支える社会に~」 旭川医科大学病院 周産母子センター 長屋 建 センター長・教授
「学校における医療的ケア児支援の実際について」 市立小中学校勤務看護師 宮下 薫 様
閉会挨拶:旭川医科大学 看護職キャリア支援センター 升田 由美子 センター長・教授
開会挨拶:旭川医科大学 西川 祐二 学長
「旭川市医療的ケア児等総合相談室の活動について」 北海道療育園 旭川市医療的ケア児等総合相談室 医療的ケア児等コーディネーター 田邊 まこと 様
「医療的ケア児の未来を拓く北の架け橋プロジェクトについて」 旭川医科大学 看護職キャリア支援センター 教育プログラム開発部門 原口 眞紀子 准教授
会場の様子①
会場の様子②
ページの先頭に戻る 新着情報