看護職キャリア支援センター教育プログラム開発部門では、11月4日に『医療現場でのやさしい日本語』ワークショップを開催しました。昨年に続き、東川町立東川日本語学校に在籍する台湾・中国出身の留学生の皆さまに模擬患者としてご協力いただきました。参加者は、看護職、看護学科教員、事務職、看護学生など計18名で、複数回目のご参加となる方もいらっしゃいました。
冒頭では、看護職キャリア支援センター長升田由美子先生より、「やさしい日本語」とは“相手に合わせて、わかりやすく伝える日本語”であるとの説明がありました。講義では、『やさしい日本語にするコツ』として、以下のポイントが紹介されました。
・短く、はっきりと、最後まで言う
・尊敬語・謙譲語は避け、丁寧語を使う
・漢語よりも和語を使う
・擬音語・擬態語は使わない
・単語のはじめに「お」をつけない
・カタカナの外来語は使わない、など
そして何よりも、「相手を理解したい」「伝えたい」という気持ちが大切であることが強調されました。
ワークショップの前半では、ウォーミングアップとして、「わかりやすい言葉への言い換え」に挑戦しました。例えば、「本日はどうなさいましたか?」という丁寧な表現も「今日はどうしましたか?」とシンプルに言い換えることで、ぐっと伝わりやすくなります。一方で、「保険証はおもちになりましたか?保険証がないと自費診療になりますが、よろしいですか?」を「保険証はありますか?」と聞いても、“保険証”という言葉自体が伝わらない場合があります。そのようなときには、「保険証がないと自費診療になりますが、よろしいですか?」という表現を、「(実物を見せながら)保険証ありますか? 保険証がないとお金が高くなります。」と具体的で視覚的な説明にすることで、伝わりやすくなることを学びました。留学生のみなさんには、〇×プレートを使って「どの言い方がわかりやすかったか」を評価してもらい、実際の反応を通して言葉の工夫の大切さを実感する時間となりました。
後半では、参加者は4つのグループに分かれ、「頭痛とめまいが続く患者」のシナリオをもとに、外来受付、看護師の問診、医師の診察、病棟での説明など医療現場のさまざまの場面を「やさしい日本語」に言い換える練習を行いました。実際に模擬患者役の留学生と対話しながら、言葉の選び方や伝え方を試すことで、参加者は多くの気づきを得ました。
参加者からは、このような声が寄せられました。
「楽しかった。留学生からわかりやすいフィードバックをもらえた。」
「めまいは“星が見える”など、伝え方の工夫が必要だと学んだ」
「楽しく知識や考え方を再認識できた」
「自分が思った以上にオノマトペや擬音語を使っていることに気づいた」
「端的に伝える方が、より伝わると実感した」
模擬患者を体験した留学生のみなさんからも、多くの感想が届きました。
「やさしく話すことが大切だと感じた」
「とてもおもしろかった。機会があればもう一度参加したい」
「尊敬語や謙譲語は、内容をわかりにくくしてしまう」
「ゆっくり話すことが大切」
「ジェスチャーやAIを使うことも有効だと思う」
言葉だけでなく、気持ちや工夫が伝わることで、コミュニケーションの可能性が広がる・・・そんな実感に満ちた時間となりました。
東川町立東川日本語学校塚田高哉先生からは「今回で3回目の参加になりますが、毎回、留学生にとってとても良い機会であり、日本人にとっても学びの多い貴重な体験だと感じています」とのコメントをいただきました。
今回のワークショップは、参加者と留学生の双方にとって実りある学びの場となりました。模擬患者としてご協力くださった東川町立日本語学校の留学生の皆さまには、心より感謝申し上げます。皆さまのご協力が、この取り組みに大きな深みを与えてくださいました。誠にありがとうございました。
