「令和5年度 キャリアデザインセミナー」を開催しました

 12月12日、令和5年度キャリアデザインセミナーを開催いたしました。このセミナーは、看護職キャリア支援センターが看護部と共催し、キャリアについて学び、自身のキャリアについて考える機会とすることを目的に企画しているものです。
 今回は、キャリアを下支えするスキルの向上を目的としたアサーティブなコミュニケーションスキルのセミナーでした。本学学生、教職員、地域の看護職を対象とし、対面とZoomのハイブリット形式の開催で、合同会社友歩 代表、日本実務能力開発協会 理事長の上前拓也氏をお招きし、『相手を思いやる伝え方~心の距離が近づくコミュニケーション~』というテーマでご講演をいただきました。
 上前講師は、日本プロフェッショナルキャリアカウンセリング協会認定エグゼクティブコーチ、日本ビジネスコミュニケア士協会認定コミュニケア士1級等の資格を有し、企業向けのコーチング研修や講演、コミュニケーション講師など幅広く活動され、また、医療機関等での研修・講演も多数の実績を築かれています。
 内容は、〈アサーティブコミュニケーション〉〈アサーティブな伝え方〉〈相手に安心感を与える伝え方〉〈感情のコントロール〉の4つで、演習を交えながら進められました。以下に、内容の概要をお伝えします。
〈アサーティブコミュニケーション〉 アサーティブとは自己主張のことで、アサーティブコミュニケーションとは、一方的に自分の主張を押し通したり、逆に受け身になって自分の意見を飲み込んだりせず、適切な方法でお互いの意見を交わすコミュニケーション。自己主張のタイプには、受け身的、攻撃的、アサーティブなタイプがあるが、アサーティブな表現方法がコミュニケーションには最も有効である。
〈アサーティブな伝え方〉 自分の気持ちと希望を素直に伝え、相手の協力を引き出すシンプルな技法として【みかんていいな法】がある。具体的な伝え方の流れは【見(み)たこと(事実)→感(かん)じたこと→提(てい)案→可否(いな)否定されたときの代替案】の4つのステップで、自分の状況や気持ちを伝えられる。
〈相手に安心感を与える伝え方〉 自分も相手も尊重するのが、思いやりのある伝え方の原則で、相手の考えを受け止めながら自分の考えも示す。「〇〇は出来ない」という否定的な表現は相手が受け止め難く、「〇〇であれば〇〇は出来る」という肯定的な表現に転換すると受け止めやすくなり、前向きで肯定的表現が安心感を与える。Iメッセージで伝えると、攻撃的にならず自分の考えも尊重したコミュニケーションになる。
〈感情のコントロール〉 怒り(第ニ感情)は急に湧いてくる感情ではなく、怒りの裏にはネガティブな感情(不安、心配、辛い、疲れた..)が隠れている(第一感情)。心の中のコップに日々ネガティブな感情がたまり、コップから溢れると怒りとなって現れる。溢れる前に、第一感情に目を向け、相手にI メッセージで伝えることが大切。
 当日は、58名(会場8名、zoom50名)の参加で、講演後のアンケートでは、「【みかんていいな】を明日からとりいれていきたい」「相手の主張を受けとめ、Iメッセージを意識して伝えていきたい」「自分を振り返る貴重な機会になった」「コミュニケーションを主とした講演会を増やしてほしい」といった感想が寄せられました。
 様々な組織やチーム、職場において、アサーティブなコミュニケーションが重要視されています。適切な自己主張の仕方を身につけ、価値観や立場の違う同僚や多職種と、率直・対等にコミュニケーションを行えるよう今回の学びを現場で活かしていきたいと思います。

司会進行 山根部門長
講演の様子
講師 上前拓也 氏
演習の様子

受講後アンケートの結果

合同会社 友歩
(YUHO Limited Liability Company.)

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