「2023年度 第1回 外国人患者対応能力向上に向けたワークショップ」を開催しました

 看護職キャリア支援センター 教育プログラム開発部門では、多様な文化や価値観を理解し外国人患者に対応できる看護職の育成を目標に講演会を企画しています。昨年に引き続き、順天堂大学大学院医学研究科医学教育学 教授 武田裕子先生を講師にお招きし、医療で用いる「やさしい日本語」の実践編ということで、外国人患者対応能力向上に向けたワークショップを開催しました。「やさしい日本語」とは、相手に合わせてわかりやすく伝える日本語で、日本語を母語としない方、高齢者、障がいのある方など、様々な方に用いられます。ワークショップでは「やさしい日本語」を使用し、シナリオに沿ってロールプレイを行いました。東川町立東川日本語学校に在籍の留学生さんに模擬患者をお願いし、特別協力を頂きました。看護職をはじめ、コメディカル、教員、医学生の参加もあり、「やさしい日本語」の必要性の認識と関心の高さがうかがえました。
 ロールプレイ前にウォーミングアップとして、医療の場面でしばしば交わされるコミュニケーションを取り上げ、「やさしい日本語」への言い換え練習を行いました。例えば、「本日はどうなさいましたか」と患者さんに問診する場合、「やさしい日本語」では「今日はなぜ病院に来ましたか」とお話すると良いそうです。医療従事者にとっては通常のコミュニケーションですが、相手が理解することでコミュニケーションは成立します。相手に配慮しわかりやすく伝えるということを改めて考えさせられました。ウォーミングアップ後はシナリオに沿ったロールプレイです。腹痛のある患者さんの受診場面を想定し、問診や検査説明、診察、内服の説明など、外来診療場面を想定したコミュニケーションをロールプレイしました。模擬患者の留学生さんとコミュニケーションを行い、この説明で伝わるか、ひとつひとつ確認しながらロールプレイを行いました。留学生さんからフィードバックを得て試行錯誤を重ね、どのように伝えると伝わるのか、状況に合わせて皆で考えました。医療従事者である私たちは、通常相手に配慮したやりとりを心掛けています。しかし、今回のロールプレイを通して、改めて相手に配慮するということの基本を考える機会になりました。
 ロールプレイの際、「やさしい日本語」を用いる難しさを感じつつ戸惑いもありました。この戸惑いが気づきとなり、相手に配慮するということの意識を高めてくれたと思います。トライ・アンド・エラーを繰り返しながら留学生さんとの関係を深め、笑顔の絶えない時間となりました。参加者からも「あっという間に時間が終了した」「楽しかった、また参加したい」という声が多くありました。特別協力を頂いた留学生さんからは「日本の病院の方が外国人のことを考えてくれていることが嬉しい」とフィードバックを頂きました。顔の見える関係作りにもつながったと思います。
 ご指導頂いた武田裕子先生、ご協力頂いた東川町立東川日本語学校の留学生の皆さん、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

「やさしい日本語」ロールプレイ前ウォーミングアップの様子①
「やさしい日本語」ロールプレイの様子①
講師 順天堂大学大学院医学研究科医学教育学 教授 武田裕子先生と東川町立東川日本語学校留学生の皆さん
「やさしい日本語」ロールプレイ前ウォーミングアップの様子②
「やさしい日本語」ロールプレイの様子②

受講後アンケートの結果

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