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外科学講座血管外科 東 信良教授が2019年度の「北海道科学技術賞」を受賞。
2020.05.29

外科学講座「東 信良」教授(旭川医科大学 外科学講座血管・呼吸・腫瘍病態外科学分野)が

「緊急を要する血管疾患に対するクラウド型遠隔医療の確立」についての功績で讃え栄えある賞に

輝きました。

「受賞にあたり支えてくれたスタッフと共に」

 
 

北海道科学技術賞受賞

【受賞者】

東 信良 旭川医科大学 外科学講座血管・呼吸・腫瘍病態外科学分野 教授

 

【功績名】

「緊急を要する血管疾患に対するクラウド型遠隔医療の確立」
地方病院と大学病院との新たな画像情報連携確立により、適切な患者搬送と迅速かつ円滑な緊急手術開始を実現。

 

【背 景】

血管の救急疾患、特に、大動脈瘤破裂や急性大動脈解離は、生命に直接かかわる救急疾患でありますが、その治療には大掛かりな設備や高度な医療材料を必要とし、かつ、救命には高度な技術を要するために、専門医が複数いないと治療が困難な疾患です。大掛かりな設備が必要なため、心臓血管外科専門医は都市部に偏在しており、いかにその専門医のいる施設に迅速に搬送するかが課題であります。一方、地方の救急外来を担う医師は上記のような血管救急疾患の専門ではないため、適切に診断し迅速に対処して搬送するためには、専門医のアドバイスが望まれています。治療を引き受ける大学病院側にとっても、患者さんが到着してから検査して手術室や医療材料、人員を用意するとなるとかなりの時間を要するため、事前の詳細情報がないと手術開始が遅くなってしまいます。
上記の背景から、いかに正確で詳細な情報を地方病院と大学病院とで迅速に連携できるかが大きな課題でありました。

 

【研究成果】(新規技術)

①有線ではなく、クラウドを用いたインターネット経由通信 ②画像圧縮技術革新、→本研究では以上の技術を世界で初めて緊急を要する血管疾患に応用し、 ③通信の安全性を確立し、 ④実臨床での有用性を証明した。

★正確で詳細な情報を得ることで
・患者到着前に治療方針を決定できる
・患者到着前に手術室や治療材料を用意できる→患者到着から手術開始までの時間を1/2以下に短縮実現

★情報をいろいろな診療科の医師や職種と共有することで
・治療準備を迅速・円滑に進めることができる

★地域中核病院と大学病院との円滑な連携強化

★広大な北海道で、少ない専門医に迅速にアクセスを必要とする小児外科疾患や下肢血管病足病に応用開始

広大な北海道の地域医療の未来を支える新たな切り札

 
【功績の概要】

功績の概要1PDF
功績の概要2PDF

北海道庁のホームページへ
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kgs/R1kagisyo_top.htm
 
 
「北海道科学技術賞とは」

北海道では、科学技術上のすぐれた発明・研究等を行い、本道産業の振興、道民生活の向上など経済社会の発展振興等に功績を讃え、知事表彰として「北海道科学技術賞」を毎年選出し、賞を贈呈されています。

新型コロナウイルスの猛威により、残念ながら授賞式は中止となりました。