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呼吸器センターの外科部門として呼吸器内科と密に連携し、肺腫瘍や胸膜中皮腫治療に実績を上げており、年間85例の肺がん手術、その他も合わせ年間130例程度の呼吸器外科手術を行っております。鏡視下手術を駆使した低侵襲手術にも注力しておりますが、気管支形成術、胸膜肺全摘術、肺剥皮術、膿胸の手術など、大学ならではの難度の高い手術、高リスク症例の手術依頼が増えております。

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呼吸器外科 科長
北田 正博
(呼吸器センター 副センター長)

対象の病名

呼吸器外科では、主に肺癌、転移性肺腫瘍、悪性胸膜中皮腫などの悪性疾患、自然気胸等の肺嚢胞性疾患や良性腫瘍、そのほか胸壁腫瘍、膿胸、縦隔腫瘍などを対象としております。
呼吸器センターに所属し、呼吸器内科(大崎良伸教授)と密接に協力して診療に当っております。

年間手術症例は、H27年度で130例前後あり、この内肺癌が85例近くを占めます。
現在、指導医1名、専門医は1名おります。

当センターは、外科学講座(呼吸器、乳腺外科分野)が母体であり、大学病院における呼吸器センターでの業務を行っております。乳腺疾患センターでの乳腺外科業務と兼任しております。

スタッフの紹介

  • 安田

    安田 俊輔

  • 氏家

    氏家 菜々美

  • 中坪

    中坪 正樹

  • 吉野

    吉野 流世

肺癌、悪性胸膜中皮腫

胸腔鏡下手術

早期肺癌に対して、約1.5~3.0cmの胸腔鏡挿入創3-4か所で行う完全鏡視下肺切除術を積極的に行っておりますが、進行症例、気管支、肺動脈形成例では、小切開(8-10cm位)を組み合わせた胸腔鏡補助下の肺切除術を行っております。いずれの手術法でも、術後6日-10日程度で退院が可能です。

肺機能温存手術(肺を余分に切り取らない)

肺切除量を必要最低限にするため、早期癌に対しては、肺区域切除術、病状によっては肺部分切除術などの縮小手術を行っています。転移性肺腫瘍の場合は、切除標本の評価によって、原発癌の薬物療法を検討する事が大切ですので、肺機能を温存する手術が求められます。

術前薬物療法

進行癌(癌が大きく進んだ場合)、手術前に抗がん剤治療を行い、縮小させて根治手術を行う場合があります。放射線照射を併用する場合もあります。

胸膜悪性中皮腫に対する胸膜肺全摘術

胸膜悪性中皮腫に対する手術は、胸膜肺全摘術と言って、胸膜ごと肺組織を切除し、心膜、横隔膜を切除するため、大きな侵襲を伴いますので、慎重な術前検査に基づき、手術適応を決定しております。最近では胸膜剥皮術も取り入れております。

良性疾患、縦隔腫瘍、その他

自然気胸、良性肺疾患

肺嚢胞が破れる事によって引き起こされる病状です。約1.5cm程度の小切開を3箇所設け、胸腔鏡下に肺部分切除術を行います。手術翌日より食事開始、行動制限なく、4-7日以内に退院できます。但し、高齢の肺気腫が原因の場合は長期化する可能性もあり、慎重な対応を必要とします。良性腫瘍に対する切除術も多くは胸腔鏡下に行っております。

縦隔腫瘍

両肺の間の心臓、気管、食道などが存在する部位を縦隔と呼び、ここにも腫瘍が発生します。前縦隔には、胸腺腫、奇形腫、胚細胞腫などが発生し、腫瘍摘出術を行います。大静脈等に浸潤している場合、合併切除、人工血管による再建術も行います。また、重症筋無力症に対する胸腺摘出術が行なう事があります。後縦隔には神経原性腫瘍が発生しますが、必要に応じて摘出術を行います。悪性リンパ腫が縦隔腫瘍で発見される事があります。

胸壁腫瘍、膿胸、その他

必要に応じて、切除術やドレナージ術、胸膜剥皮術、胸郭成形術などを行う事があります。特に、膿胸に関しては病状に合わせた治療が必要になります。

患者さまへ

肺や縦隔疾患など胸の病気に関してお知りになりたいこと、診療の御相談、セカンドオピニオンなどのご要望がありましたら下記にご連絡ください。担当医がお応え致します。