日本人のクローン病患者のゲノム解析を中心に遺伝的要因の網羅的解析を実施し、発症機序を解明するとともに、個々の患者の特徴とゲノム情報との関連性を明らかにします。
旭川医科大学病院および広島大学病院にて、クローン病の患者、類縁疾患患者、健常者の口腔粘膜細胞を使用します。試料からDNA抽出を行い広島大学自然科学研究支援開発センターにてGenome-Wide Human SNP Array 6.0での解析を行います。
牛車腎気丸は、下行性鎮痛抑制系の活性化により痛覚伝達物質の放出を抑制し、しびれや疼痛に効果を発揮すると推定されています。FOLFOX療法に起因する末梢神経症状に対する有効な支持療法を確立するために、進行・再発大腸癌患者を対象に牛車腎気丸とプラセボ使用二重盲検第Ⅱ相試験で末梢神経症状の発現率抑制効果をプロスペクティブに検討し(GONE試験)、現在、大規模第Ⅲ相試験を行っています。(GENIUS試験)。
クローン病は診断がついて10年以内に60%以上の患者が主に腸管狭窄(イレウス)が理由で手術を受け、術後再手術率は5年で20-45%と報告されています。特に、腸管吻合部からの再発が必発で、消化器外科領域で解決すべき難題となっています。原因として必然的に起こる吻合部血流低下が重要な因子であると言われており、その原因として、CGRP低下による血流異常が報告されており、腸管血流低下が狭窄病変形成に寄与していると言われています。そこで、大建中湯が内因性のCGRPとADMのactivatorであることを利用して、クローン病の治療、特に、術後の再手術の大きな要因となっている吻合部血流低下の改善やクローン病再発防止の有効性につき検討します。
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