耳鼻咽喉科豆知識

人工内耳

クスリ以外の治療法はあるのですか?

 多くの患者さんは内服薬や点鼻薬を使用することで、くしゃみや鼻みず、鼻づまりなどの症状を抑えることができます。しかしクスリが効かない場合、使用できない場合には減感作療法または手術療法を行います。

1. 減感作療法

 ハウスダストのエキスを少しずつ注射もしくは舌下投与し、ハウスダストに対する過敏な反応を押さえていく方法で、体質を変えるという意味でアレルギー性鼻炎の根本的な治療法です。ハウスダストが原因物質の患者さんが適応になります。ただし頻回でかつ長期間の通院が必要です。

2. 手術療法

(1) 高周波電気メス(サージトロン)

 外来で局所麻酔(麻酔のガーゼまたは注射)で下鼻甲介のはれた粘膜を凝固します。最初は凝固された鼻粘膜がはれ1〜2週間カサブタがつきます。しかし通院していただき処置してるうちに、徐々に鼻の通りが良くなってきます。また鼻の粘膜の神経末端も凝固されるのでくしゃみ、鼻水にも有効とされています。しかし2〜3か月で鼻の粘膜が元に戻り鼻がつまって来ることがあります。その場合は数回凝固を繰り返します

(2) レーザー手術

(1)と同じで局所麻酔で行う日帰り手術です。レーザーの種類には一般的に炭酸ガス(CO2)レーザー、YAGレーザー、KTPレーザーなどがあります。いずれも下鼻甲介のはれた粘膜を蒸散します。1)と同様に最初は鼻づまりがありますが、徐々に鼻の通りが良くなってきます。症状の改善がみられない場合、繰り返し行うこともあります。

(3) 下甲介切除術、鼻中隔矯正術

 鼻づまりが高度の場合、また鼻中隔彎曲症など鼻の中が構造上狭い場合、はれている下甲介を切除したり、曲がった鼻中隔を矯正する手術をおこなうこともあります。約10日間の入院が必要で、手術は全身麻酔で行います。手術時間は約1時間で、難しい手術ではありません。退院したあともカサブタを取ったりする鼻の掃除のため通院する必要があります。子供(小学生以下)は成長段階にあり鼻の形が定まっていないので特別な場合を除きこの手術は行いません。