トップページ 耳鼻咽喉科豆知識 / 鼻性NK/T細胞リンパ腫
鼻性NK/T細胞リンパ腫に対する新たな治療法
浅側頭動脈動注化学放射線同時併用療法
鼻性NK/T細胞リンパ腫は、従来進行性鼻壊疽と呼ばれていた疾患で、我々がその本態がNK細胞またはT細胞起源のEBウイルス関連リンパ腫であることを証明して以来、鼻性NK/T細胞リンパ腫の呼称がWHO病理組織分類にも用いられるようになった。その予後は極めて悪く、通常の悪性リンパ腫での治療法では病期I, II期の限局期においても5年生存率が40%を下回る。その予後を改善すべく、我々は浅側頭動脈より経動脈的に抗癌剤投与を行い、放射線療法を併用する浅側頭動脈動注化学放射線同時併用療法を2003年より施行している。現在、10例以上の限局期鼻性NK/T細胞リンパ腫に本治療を施行し、全例に寛解を認め、無病生存中である。