耳鼻咽喉科豆知識

フェイスリフト切開からの頸部良性腫瘍

フェイスリフト切開からの頸部良性腫瘍(耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍、側頸のう胞)手術

頸部には、手術で摘出する必要がある良性の腫瘍ができることがあります。特に耳下腺、顎下腺の良性腫瘍の一部、側頸のう胞は若い方に出来やすい病気です。現在は、これらの腫瘍に対して腫瘍の直上を切開して摘出することが一般的です。しかし首の見えるところに傷が残るという美容面での問題があります。そこで当科では見えない部位の皮膚切開からこれらの腫瘍を摘出するように工夫しています。切開部位は耳の後ろから毛髪の生え際の少し内側です。これは美容形成外科の皺取り手術(フェイスリフト手術)の際に用いる切開部位です。

当科では2007年より良性の耳下腺腫瘍、側頸のう胞に対しての標準的な切開方法として行っており、安全性、手術時間には影響がないことが確認されました。また顎下腺の良性腫瘍に対しても、甲状腺内視鏡手術で使用している内視鏡と手術器械を使用する事で、毛髪線内からの切開部から摘出可能であり、こちらも2012年より導入しています。

フェイスリフト