「令和6年度第2回 地域を紡ぐ看看連携セミナー」を実施しました

 令和6年12月20日(金)に今年度第2回「地域を紡ぐ看看連携セミナー」を開催いたしました。会場参加、オンライン参加のハイブリット形式で実施し、大学病院から4名、大学から2名、地域からは7名の計13名にご参加いただきました。また、講演のみの聴講に、大学病院から4名、大学から1名、地域からは13名の計18名が参加され、合わせて31名の方にご参加いただきました。
 今回は「災害時の看護-有事に備える-」をテーマとし、講演と意見交換会を企画いたしました。まずは、まるまめ在宅診療所の松本学也所長より「医師の立場で在宅と病院の有事に思うこと」について講演をしていただきました。続いて、訪問看護ステーションかしわのもりの松山なつむ統括所長より「連携型BCP/地域BCP策定モデル地域 北海道十勝圏域における取組み」について講演をしていただき、グループに分かれて意見交換後、全体で共有しました。最後に、講演をしてくださったお二人よりご感想をいただきました。
 以下、内容をご紹介いたします。

講演1「医師の立場で在宅と病院の有事に思うこと」
 ご自身の災害時の経験として在宅酸素や吸引など在宅医療を必要とする方に対して実際に対応した内容や、めったに経験できない災害医療の現場で対応するためには準備が大切であると講義をしてくださいました。具体的には、災害医療とは何か、支援体制の現状や課題について、わかりやすくご説明いただき、さらには水害が発生したことを想定したシミュレーション訓練をご紹介いただき、組織としての方針、スタッフとしての行動、利用者への対応について考えるきっかけとなる講義をしてくださいました。

講演2「連携型BCP/地域BCP策定モデル地域 北海道十勝圏域における取組み」
 これまでの災害経験から、有事の際に優先順位はあるものの、利用者の声に耳を傾け、生きる希望につながる看護の視点が大切であることをご紹介いただきました。また、地域としての課題から、BCP策定の取り組みについてお話していただきました。具体的には、地域の課題に対して、三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)、訪問看護師会、保健所、企業等で会議やヒヤリングを重ね、地域で暮らす全ての方が我が事で考えることが大切であると講義をしてくださいました。

意見交換と全体での共有
 意見交換は3つのグループに分かれて実施しました。小さなことから始めて成功体験を積み重ねていくことの大切さや、お互いの立場でどんなことが問題かを考え話し合うことの必要性、災害時は自分も被災者となるため自分や家族の身の安全を守りながら支援していけることが大事であるといった意見があり、全体での共有を行いました。

まとめ・感想
 まるまめ在宅診療所の松本学也所長からは、災害に対してどうしたら良いかと悩んでいる段階でも、少しずつ考え、歩み始めていくことが大事であると感想を述べられていました。
 訪問看護ステーションかしわのもりの松山なつむ統括所長からは、災害に対して、少しでも何かを始めていくことで北海道を超えたたくさんの繋がりがある。今日をきっかけに何かが始まればいいと思うと感想を述べられていました。

セミナー直後アンケートの企画評価
 今回のセミナーでは、初回参加者は38%でした。セミナー全体の満足度としては、「満足」「おおむね満足」で100%でした。「まずはできることをしようと思えた」「活用は難しいが患者と関わるうえで必要な視点だと感じた」「それぞれの視点から意見交換ができた」などの意見がありました。またZoomに関するトラブルに関して、前回の反省を踏まえ参加方法の適切な案内をアナウンスする対策を取りました。しかし、今回も一部音声トラブル等が発生したため、対策を検討していきます。
 今後も大学病院と地域で活躍する看護職がつながり、看護を必要とする対象者へのより良い看護を共に学び高め合っていきたいと考えます。

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