海外医療支援活動(口唇口蓋裂診療)(ベトナム)医学部医学科3年 岸根 璃子
海外医療支援活動(口唇口蓋裂診療)(ベトナム)医学部医学科3年 岸根 璃子
海外医療支援活動(口唇口蓋裂診療)(ベトナム)医学部医学科3年 岸根 璃子
海外医療支援活動(口唇口蓋裂診療)(ベトナム)
医学部医学科3年 岸根 璃子
〇はじめに
2026年3月21日から3月29日にかけて、日本口唇口蓋裂協会がベトナム社会主義共和国ヴィンロン省のグエンディンチュー病院にて実施した無償手術活動に診療隊の一員として参加しました。もともと外科領域に興味があり実際の手術現場を間近で見学し、多くの臨床経験に触れることができる貴重な機会であると考え本活動への参加を希望しました。今年度は、本学から歯科口腔外科医2名、麻酔科医1名、看護師1名、学生2名の計6名が診療隊に参加しました。
〇日本口唇口蓋裂協会について
日本口唇口蓋裂協会は1992年に設立され、口唇口蓋裂などの口腔領域の先天性疾患を持つ子供に対して医療援助活動を行っている非営利のボランティア協会です。
〇日程
・3/21:移動
・3/22:初診・検診
・3/23~24:手術
・3/25:小学校における歯科検診プログラムの視察、チャビン大学病院の見学
・3/26:手術、グエンディンチュー病院施設の見学
・3/27:手術、現地スタッフとの謝恩会
・3/28:診察、ホーチミン観光
・3/29:移動
〇費用
参加費は35万円であり、旭川医科大学基金より10万円の支援をいただきました。参加費には航空券代および宿泊費、食事代等が含まれていました。参加費に加えて集合場所の成田空港までの交通費や前泊の宿泊費、保険料、お土産代などが別で必要となりました。
〇活動内容
・手術見学
手術日は7時から18時頃まで活動し、1日あたり約7件の症例に携わりました。3つの手術室で同時に手術が行われており、手術室を移動し複数の症例を見学しながら症状や術式の違いについて学ぶことができました。また、一部の手術に参加し、術野を間近で見学する機会もありました。術前および術後にはリカバリールームで小児科医の診察を見学し、全身状態や回復の程度を観察しながら患者一人ひとりに応じた個別対応についても教えていただきました。実際の手術現場に参加することで座学だけでは理解しきれない学びや緊張感、チーム医療の重要性を実感しました。
・施設見学と現地学生との交流
施設見学では、手術室、術後管理室、小児科病棟、産婦人科病棟などを見学し、日本との医療設備や体制の違いについて理解を深めることができました。また、グエンディンチュー病院の医師や看護師から診察の様子を教えていただきました。さらに、学生との交流の機会もあり、実習内容や学校生活について話すこともできました。コミュニケーションには主に英語を使用し、英語が難しい場合には翻訳アプリを活用しました。言語の壁を感じる場面もありましたが、それ以上に伝えようとする姿勢の大切さを学びました。
・観光
手術が早く終わった日には近くの市場や街を観光することができました。このタイミングで本活動に参加していた他大学の先生方や学生と様々なお話ができ、仲良くなることができました。最終日にはホーチミンを訪れ、ベトナムの街並みや文化を楽しむことができました。
〇感想
今回の留学では見学にとどまらず、医療の実践に触れる貴重な経験を得ることができました。特に実際に手術に参加させていただいたことや、様々な手技を経験させていただいたことは非常に印象に残っています。一方で、術前から術後に至るまでの麻酔科医の役割の重要性も強く実感しました。もともと外科領域に関心があったため当初は手技に注目して見学していましたが、麻酔管理のみならず手術全体の進行を把握しながらモニターのチェックや呼吸管理を行う麻酔科医の姿が印象的であり、患者さんの状態を的確に評価する力を身につけたいと感じました。これまで主に座学を中心に医療について学んできましたが、本活動を通じて患者さんやそのご家族への寄り添い方や、医療スタッフ全員が協力して手術を行うことの大切さを学ぶことができたことも貴重な経験の一つです。また、日本とは異なった環境において限られた設備や資材の中で質の高い医療を提供する難しさを実感するとともに、医療における需要と供給のバランスの重要性についても考える機会となりました。今後はこれらの経験をこれからの学校生活に活かし、海外でも活躍できるような広い視野を持った医師を目指していきたいと考えています。また、今回得られた学びを今後の学習や臨床実習に還元し、将来の医療に貢献できるよう取り組んでいきたいです。
〇謝辞
最後に、本留学に際しご支援してくださった西川学長をはじめ、本学の先生方、国際企画係の皆様、ならびに現地でご一緒させていただいた皆様を含め多くの方々に心より感謝申し上げます。