キーワードから探す

文字サイズ
背景色

ポメラニアン医科大学(ポーランド)医学部医学科6年 藤井香名

ポメラニアン医科大学(ポーランド)医学部医学科6年 藤井香名

ポメラニアン医科大学(ポーランド)医学部医学科6年 藤井香名

ポメラニアン医科大学(ポーランド)

医学部医学科6年 藤井香名

令和6年8月18日から9月8日まで、ポーランドのシュチェチンにあるポメラニアン医科大学(Pomorski Uniwersytet Medyczny wSzczecinie。以下、「PUM」と記載します。)に同級生と2人で留学しました。期間は3週間で、土日を除く15日間、小児科、産婦人科、一般外科・小児外科、腫瘍外科で実習に参加させていただきました。各診療科での実習の様子は、以下のとおりです。

小児科:患者さん(糖尿病、甲状腺機能低下症、フェニルケトン尿症、プラダ―ウィリー、思春期早発症)の問診や診察を自分自身で行ったり、GH分泌不全症について症例から勉強したりしました。ドイツの施設と連携して遺伝子検査を多くされているということで、珍しい症候群の患者さんの症例もあり勉強になりました。私たちが実習をしたときは、複合型グリセロールキナーゼ欠損症(CGKD:Complex glycerol kinase deficiency)の患者さんが入院しており、診察をさせていただきました。またCGKDについての論文を読んで、教授のMaria Giżewska先生とディスカッションもしました。説明の中で分からないことがあると丁寧に一から説明してくださり、大変勉強になりました。実際に自分で診察をすることで、病態を深く理解することにもつながりました。お昼は先生や学生の方々と共に食べることが多く、ポーランドの観光名所や伝統料理などの話も聞くことができ楽しかったです。

産婦人科:産婦人科は1人ずつ分かれて実習をしました。初日は外来を見学し、先生のアシストや妊婦さんの内診もさせていただきました。2日目からは基本的に手術見学でした。3日間で帝王切開6件、子宮摘出1件、筋腫核出1件(経腟)、子宮脱に対する腹腔鏡下人工メッシュ手術1件を見学しました。手術では術野に入り、処置の様々なアシストをさせていただきました。経腟分娩の見学は期間中にできませんでしたが、分娩に向けての診察に立ち会うこともできました。学生に任せてもらえることが手術や診察において非常に多く、良い経験になりました。

小児外科:基本的に手術見学で、1日だけ外来見学をしました。合指症や多指症、絞扼輪症候群など手の奇形に対する手術を3件、包皮背面切開術2件、先天性陰茎湾曲症に対する手術、母斑の切除、舌小帯短縮症に対する手術、胸腔鏡下膿胸掻爬術、女性化乳房修正術、尺側神経にガラスの破片が入り運動障害をきたした症例に対する手術を見学しました。手術中はこの神経は何かなどの説明もしてくださり、勉強になりました。他には植皮術をした患者さんのガーゼ交換の見学や外来見学を通して、周術期管理を学びました。日本の小児外科とは少し違い、子供の全身を対象としているところが興味深かったです。

一般外科・腫瘍外科:回診をして、手術見学という流れでした。子宮内膜症に対する腹腔鏡下病巣摘除術、乳癌術後患者の腋窩リンパ節郭清、乳房再建術(広背筋皮弁法)、腹腔鏡下胆嚢摘出術を見学しました。術後の創傷管理、虫垂炎やイレウスの入院患者さんの見学もできました。手術中に疑問に思ったことをすぐに質問しやすい環境で、有意義な時間を過ごすことができました。

全体を通じて、病院内でのカンファレンスや回診などでの会話はすべてポーランド語でしたが、後に英語で説明していただいたので、理解しながら実習することができました。分からない単語があるときは、すぐに調べていました。学生が多くのことを主体的に経験できる環境や患者さんの全身をくまなく診察する点に感銘を受けました。

実習は大体15時までには終了するので平日も自由時間が多くあり、シュチェチンの観光をしたり、映画を見に行ったりしました。また、1回目の週末は、学生3人とその飼い犬1匹と森林公園を10キロほどトレッキングしたり、プールやサウナを楽しんだり、Holiday park(遊園地)とビーチにも行ったりしました。2回目の週末には、シュチェチンから車で片道4時間ほどのグダニスク(Gdansk)まで先生方に連れて行っていただき、そこで1泊しました。隣接する都市である、SopotやGdyniaにも行きました。観光名所でとても景色が綺麗でした。Sopotでは船に乗ることもでき、リフレッシュできました。

今回の留学の機会を与えてくださった、西川学長、東副学長、本間教授、神田講師、国際・社会連携室の皆様、そして現地で温かく迎えてくださったProfessor Sebastian Kwiatkowski、Professor Maria Giżewska、Dr. Maciej Romanowski、Dr. Kaja Giżewska-Kacprzak、Mrs. Olena Voznyak、PUM学生の皆様、誠にありがとうございました。貴重な経験を活かしていけるよう、今後も精進致します。