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2025年02月18日

アフリカ地域における環境保健シンポジウムの開催について


旭川医科大学は、JICA北海道及びケニア保健省の協力のもと、令和7年1月29日から1月30日にかけて、「アフリカ地域における環境保健シンポジウム」をナイバシャ(ケニア)にて開催しました。本学からは、吉田貴彦名誉教授、看護学講座 伊藤俊弘教授、社会医学講座 神田浩路講師がシンポジウム運営等のため会場入りするとともに、会場25名、オンライン42名の合計67名が参加しました。

本シンポジウムは、旭川医科大学にて2008年から2023年にかけて実施したJICA課題別研修「アフリカ地域 地域保健担当官のための保健行政」の帰国研修員を主な対象としたもので、ケニア保健省 予防・保健サービス・疾病管理局長であるDr. Joseph Kamario Lenai(2015年度帰国研修員)を共同議長に選出し、ケニア、ザンビア、マラウイ、セネガル、ガーナの帰国研修員5名に加えて、ケニア国内の環境保健関係者4名が講演者として登壇しました。

1月29日は、吉田貴彦名誉教授による基調講演に続き、各国の帰国研修員による各国の環境保健の現状に関する講演が行われました。講演では、ケニア・ザンビアでの重金属による環境汚染と健康への悪影響、マラウイ・セネガル・ガーナでの水質汚染による感染症蔓延や大気汚染による呼吸器疾患増加といったの問題について説明があり、発表後の質疑応答では、国の垣根を超えた活発な議論が展開されました。講演終了後は、フィールドスタディとしてナイバシャ近郊のリサイクル施設及び廃棄物最終処分場を視察しました。

1月30日は、ナイバシャ湖岸の環境視察を行った後、フィールドスタディ訪問先の担当者やナイバシャ地域を管轄するナクル郡の政府関係者ら4名が視察先を含めた地域社会における環境保健の現状や対策、今後の見通しについて講演を行いました。また、シンポジウム終了にあたり、JICA帰国研修員による今後5年間の行動計画を示したJICA-AMU Alumni Strategic Framework 2025-2030が取りまとめらました。

本シンポジウムは、本学が15年間継続して実施したJICA課題別研修の集大成というべきもので、帰国研修員の母国における課題解決に向けた様々な取り組みやアイデアが共有されました。
本学は今後も、帰国研修員との強い繋がりを活かしつつ、アフリカ地域の環境保健問題への貢献に努めてまいります。