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研究実績・成果

研究実績・成果

2022年12月23日
受賞・表彰

受賞・表彰の公表 病理学講座免疫病理分野 大栗 敬幸 准教授(※2/17追記)

このたび、本学病理学講座免疫病理分野 大栗敬幸准教授が「令和4年度 北海道科学技術奨励賞」を受賞いたしました。
功績名は「癌細胞の免疫逃避システムに着目した新規癌免疫治療法の開発研究」です。
北海道科学技術賞は、北海道の発展に寄与することが期待される科学技術上の優れた発明、研究を行い、今後の活躍が期待される若手研究者に、知事表彰として贈呈されます。贈呈式は令和5年2月14日に札幌で行われる予定です。
功績の概要は以下のとおりです。


<功績名>
「癌細胞の免疫逃避システムに着目した新規癌免疫治療法の開発研究」

<功績の内容>
約40億年前に地球に誕生して以来、生物は地球環境の変化に適応し生き延びながら現在の私たちを含む様々な種へと進化してきました。このことから分かるように、私たちを構成する細胞は環境に適応する能力を持ち合わせています。癌細胞は正常細胞が遺伝子変異を蓄積して生じる『異物』で、通常であれば免疫細胞の働きによって排除されますが、癌細胞はこの環境適応能力を活用して自らの性
質を変化させることで免疫細胞の攻撃から逃れ増殖することができるようになります。例えば、免疫系が癌細胞を異物として認識するには、貪食細胞が癌細胞を取り込んでその情報をT細胞に伝える必要があります。しかし、癌細胞は1)貪食細胞に食べられないように偽装する、2)T細胞に見つかりやすい情報(癌抗原)を隠す、ことが明らかになっています。そこで、候補者はこれらの癌細胞の免疫逃避システムに着目して、貪食細胞の癌細胞貪食能力を高めることによってT細胞への癌細胞情報の伝達を促進し癌細胞の増殖を抑えるという新しい癌免疫療法の開発につながる知見をマウスモデルを用いた基礎研究によって得ました。
また、癌細胞自身が隠しておきたい目印を複数明らかにし、現在までに日本を含む4カ国で特許が成立しています。

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令和 4 年度 北海道科学技術奨励賞の発表ページはこちら
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/ssg/137876.html

受賞・表彰に関するお問合せ

旭川医科大学 病理学講座(免疫病理分野)
准教授 大栗 敬幸(おおくり たかゆき)

  • TEL:0166-68-2381