「多職種連携合同演習」を実施しました
令和7年8月20日(水)、医学部医学科および看護学科の4年生を対象に「多職種連携合同演習」を初めて実施しました。これは2022年度から導入された新カリキュラムに基づくもので、今年度の4年生が履修するタイミングに合わせて、医学科の「医療概論Ⅳ」と看護学科の「地域包括ケア論Ⅳ」との合同授業として企画されたものです。科目名は異なりますが、「地域包括ケアに必要な多職種連携の理解を深める」という共通の目標のもと、学生たちはこの演習に臨みました。
グループワークとロールプレイを通して
この演習では、学生たちが以下の10の職種(役割)に分かれ、グループワークとロールプレイに取り組みました。
• 患者、患者の配偶者
• 病棟看護師、訪問看護師、主治医、薬剤師
• 理学療法士、言語聴覚士、メディカルソーシャルワーカー、ケアマネジャー
事前に提示された事例と課題に取り組み準備していた学生たちは、患者「Nさん」の退院後の生活を想像し、自分の役割に必要な情報や他職種に相談すべき内容について検討しました。初めて聞く職種もあったようですが、各グループに配置された専門家(理学療法士、言語聴覚士、ケアマネジャー、薬剤師など)からの助言を受けながら、各自が担当する職種になりきって真剣に話し合いました。
グループワークで話し合った内容を基に、退院前の患者支援をテーマとしたロールプレイも実施しました。8つのグループに分かれ、実践的な検討を重ねました。1回のセッションは25分で設定しましたが、いずれのグループも時間を全部使って熱くカンファレンスを行っていました。
演習を終えて
演習の最後には全体報告会が行われ、学生たちはそれぞれの役割を演じた感想や、これまでとは異なる視点から医療を捉えた気づき、そしてカンファレンスに参加することの重要性について熱心に発表がありました。
アンケートでは、「医学科・看護学科合同で適度な緊張感があってよかった」「多職種連携と協働について考える良い機会になった」「知識不足を感じた」といった率直な感想が寄せられ、今回の演習が学生にとって貴重な学びの機会になったことが伺えます。
夏休み中からの準備は大変だったと思いますが、今回の演習を通して学生たちは、他職種への理解を深め、自身の専門職としての役割や強みを改めて実感できたことでしょう。
今回の演習実施にあたり、多大なるご協力をいただきました教育センター、看護学科教員、大学病院リハビリテーション部、そして非常勤講師の皆様に心より感謝申し上げます。この合同演習での学びが、医学科の学生にとっては今後の臨床実習で、看護学科の学生にとっては卒業後の実践の場で活かされることを期待しています。
(地域包括ケア論Ⅳ科目責任者 升田由美子)





