医療的ケアが必要な児童を支援する看護師養成プロジェクト
Training nurses to support children requiring medical care
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1. 背景と課題
日常的に医療的ケアを必要とする子どもを育てるご家族は、日々大きな負担を抱えているうえに、社会から孤立しやすい状況に置かれています。また、支援体制の地域差から保護者が就労の継続を諦めざるを得ないケースも少なくありません。ご家族が安心してサポートを受けながら働き、子どもたちが健やかに成長し将来の自立に向けた生活を送るためには、専門的な見識を持つ支援人材の確保が不可欠です。
2. 旭川市および本学病院の実績と強み
旭川市は全国的に早い時期から学校に看護師を配置しており、近年は「医療的ケア児にかかる協議の場」の設置(令和元年度)や「旭川市医療的ケア児等総合相談室」の開設(令和6年4月)など、支援体制整備を推進しています。また、旭川医科大学病院では院内組織「ぽぽの会」を中心に退院支援を展開し、令和4年度からは「北海道小児等在宅医療連携拠点事業(地域モデル事業)」の受託に伴い、旭川地区全域へと支援対象を拡充させてきました。
3. 本プロジェクトの目的
本プロジェクトでは、これらの地域の先進性と病院の実績を基盤として、教育的な視点を持って保育や教育の現場で活躍する新たな看護師の養成に取り組んでまいります。看護師は体調管理や医療的ケアなどの「安全の確保」に主眼を置きますが、本プロジェクトが目指す看護師は、それに加えて「子どもの発達・成長や学び」に配慮できる教育的視点を備えている看護師です。単にケアを提供するだけでなく、子どもの「やりたい」「学びたい」という意欲に寄り添い、保育士や教員、保護者、主治医と連携しながら、医療的ケア児が集団生活の中で豊かな経験を重ねられるよう支援を行う看護師の養成を目指します。
旭川医科大学と旭川市や諸機関が密接に協力し、新たな研修プログラムと大学教育による「旭川モデル」を樹立し、医療的ケア児が安心して教育を受けられる社会を目指します。
大学看護学科と病院看護部が連携・協働する「旭川医科大学看護職キャリア支援センター」が懸け橋となって、医療的ケア児支援に携わる看護師の研修プログラムの開発とネットワーク作りとともに、大学教育におけるプログラムの構築を進めてまいります。旭川市教育委員会、旭川市医療的ケア児等総合相談室、本学病院医療的ケア児支援専門委員会、北海道療育園等の医療的ケア児支援に関連する諸機関と連携・協働し、研修等の企画・運営を計画しています。初めは旭川市を中心に事業を展開しますが、将来的には広大な道北・道東地区で医療的ケア児の支援に携わっている看護職等に対する支援を実現します。
本事業は旭川医科大学「社会的インパクト創出プロジェクト」の大学戦略分として選定されており、令和6~9年度の4年間、全学的な支援の下で実施されます。
- 活動の記録 -
令和7年度第2回 医療的ケア児支援講演会・ワークショップ「医療的ケア児の支援を考える ~学びを支える連携と協働の実現に向けて~」を開催しました 2026.03.23
本講演では、保育所や学校において医療的ケア児を支援する看護師の役割について、制度的背景と学校現場の特徴を踏まえて解説が行われました。医療的ケア児への支援では、病気や障害を問題として捉えるのではなく、その子どもの実態として理解し、教育活動に参加できる状態を整えることが重要であること、学校における看護師は医療的ケアの実施に加え、児童生徒の健康管理やアセスメント、教職員・保護者、医療機関との連携など多様な役割を担っていることについて説明がありました。 →続きを見る
北海道教育大学旭川校で医療的ケア児に関する講義(令和7年度後期)を行いました 2026.01.30
北海道教育大学旭川校2年生の授業科目「特別支援教育」第15回で、前期に続きゲストスピーカーとして看護職キャリア支援センターの部門員3名が講義を担当させていただきました。この授業科目では、教員を目指す学生さんが、特別の支援を必要とする幼児・児童および生徒が実感・達成感をもちながら学び、生きる力を身に付けていくための教育を実践することができるように、学習上及び生活上の困難を特定、理解し、個別の教育的ニーズに対して、他の教員や関係機関と連携しながら組織的に対応していくために必要な知識や支援方法について学びます。その中で、通常学校における医療的ケア児への支援について、下記の講義を行わせていただきました。 →続きを見る
公益財団法人 小林製薬青い鳥財団 2025年度 贈呈式・交流会に出席しました 2025.12.01
本年度の助成事業に、看護学科(小児看護学領域)の荻原弘幸准教授による調査研究「インクルーシブ教育における医療的ケア児支援体制の現状と課題:専門職の認識に関する横断的調査」が採択されたことから、式典に荻原准教授が出席し、研究内容のプレゼンテーションを行いました。本調査研究は、看護職キャリア支援センター教育プログラム開発部門の構成員である荻原准教授を中心に、当センターで組織的に取り組んでまいります。 →続きを見る
令和7年度第1回 医療的ケア児支援講演会「医療的ケア児の学校生活を考える ~1型糖尿病当事者が伝えたいこと~」を開催しました 2025.08.06
看護職キャリア支援センター教育プログラム開発部門では、令和7年度第1回医療的ケア児支援講演会を、テーマ「ここからはじまる・ひろがる~医療的ケア児の学校生活を考える~1型糖尿病当事者が伝えたいこと~」のもと、ハイブリッド形式で開催しました。今回の講演会は参加制限を設けず、どなたでも参加できる形式とした結果、会場参加45名、Zoom参加134名、合計179名と、多くの方々にご参加いただきました。参加者は北海道内にとどまらず、道外や海外からもあり、さらに医療的ケア児当事者やご家族の参加もみられました。 →続きを見る
北海道教育大学旭川校で医療的ケア児への理解を深めてもらう講義を行いました 2025.07.25
令和7年7月25日に、北海道教育大学旭川校の2年生の授業科目「特別支援教育」第15回で、ゲストスピーカーとして講義をさせていただきました。この授業科目は、特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒が実感・達成感をもちながら学び、生きる力を身に付けていくための教育を実践することができるように、学習上及び生活上の困難を特定、理解し、個別の教育的ニーズに対して、他の教員や関係機関と連携しながら組織的に対応していくために必要な知識や支援方法について学ぶ科目です。 →続きを見る
「医療的ケア児における学校等に勤務する看護職の教育に関するニーズと課題」調査の開始 2025.05.26
「医療的ケア児における学校等に勤務する看護職の教育に関するニーズと課題」に関する調査を、旭川市教育委員会と旭川市子育て支援部のご協力を得て開始しました。
「令和6年度 医療的ケア児支援講演会」を開催しました 2025.03.01
看護職キャリア支援センター教育プログラム開発部門では、今年度より医療的ケア児支援における指導的立場等の看護師の研修プログラムの開発と地域におけるネットワーク作りを目指す、「医療的ケア児の未来を拓く北の架け橋プロジェクト」の活動を開始しました。その活動の一環として、旭川市内及び近郊の小中学校における医療的ケア児の支援体制を知ることを目的とした、「ここからはじまる・ひろげる~医療的ケア児をつなぐネットワークづくり」をテーマに、令和6年度医療的ケア児支援講演会をハイブリット形式で開催しました。 →続きを見る
学内関係者打合せ 2024.04.08
医療的ケア児支援看護師養成プロジェクトの推進に向け、学内関係者で旭川市の現状および今後の課題を整理・協議しました。
〇議長:看護職キャリア支援センター長
〇参加メンバー:周産母子センター長、看護学科教員、看護職キャリア支援センター教員、NICU-NS看護師長、医療ソーシャルワーカー、事務局
