旭川医科大学医学部看護学科 30周年記念に寄せて

  

看護学科長 升田由美子

  

旭川医科大学医学部看護学科は、2026(令和8)年度に設置30周年を迎えます。この記念すべき節目にあたり、これまで本学科の教育・研究・実践を支えてくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
本学看護学科は、1996(平成8)年度の設置以来、「地域医療に根ざし、豊かな人間性と高い倫理観を備えた看護職者の養成」を理念として歩みを重ねてまいりました。医科大学に設置された看護学科として、医学・医療との密接な連携のもと、多職種と協働しながら人々の生活を支える看護職者の育成を使命としてきました。
25周年以降のこの5年間、社会は新型コロナウイルス感染症の世界的流行をはじめ、少子高齢化の急速な進行、医療ニーズの高度化・複雑化、情報通信技術の急激な進展など、大きな変化に直面してきました。加えて、18歳人口の減少や国立大学を取り巻く厳しい財政状況など、大学経営をめぐる環境も年々厳しさを増しています。
医療の現場に目を向ければ、医師・看護師をはじめとする医療人材や医療資源の都市部への集中が進み、地方・へき地における医療提供体制の維持は大きな課題となっています。特に広大な面積を有する北海道においては、地域間格差への対応は喫緊の社会的課題です。
こうした状況の中で、本学看護学科は、道北・道東地域をはじめとする北海道各地、さらには全国の医療・保健・福祉の現場で活躍する看護職者を継続的に育成してきました。卒業生・修了生は、それぞれの地域に根ざし、人々の生活といのちを支える実践を積み重ねており、これは本学科が果たしてきた重要な社会的貢献であると考えています。
この5年間、本学科では、変化する社会の要請に応えるべく、教育方法の工夫、臨床・地域との連携強化、大学院教育の充実、そして看護職キャリア支援センターを核とした生涯学習支援を推進してまいりました。入学前から卒後に至るまで、切れ目のない看護職者育成と支援を行う体制は、地方に位置する国立大学としての重要な役割を担っています。
一方で、社会や制度がどれほど変化しても、人と人とが向き合う看護の本質は変わることがありません。看護の対象となる人の生活と価値観を尊重し、その人の力が最大限に発揮されるよう支えること、そして専門職としての**責務(Accountability)・権限(Authority)・自律性(Autonomy)**をもって判断し行動することは、本学科が一貫して大切にしてきた理念です。変化の時代であるからこそ、看護の原点を見失うことなく、教育と研究を積み重ねていくことが求められています。
30周年を迎え、これからの10年を見据えたとき、看護学科にはこれまで以上に大きな役割が期待されています。地域包括ケアの深化、医療的ケアを必要とする子どもや高齢者への支援、災害・感染症への対応、さらには国際的な視点をもった看護の展開など、看護が担うべき責務は多岐にわたります。本学看護学科は、地域とともに歩む国立大学として、実践に根ざした教育・研究を通じて、社会の持続可能性に貢献する看護職者の育成を続けてまいります。

  

看護学科同窓会代表 水島峰子(1期生)

  

こ旭川医科大学 看護学科開設30周年、誠におめでとうございます。30年という長きにわたり、看護学科の発展と教育の向上にご尽力された歴代の教職員の皆様、そして学生の皆様、地域の医療機関や関係者の皆様に心より敬意を表します。皆様の熱意と努力が、今日の旭川医科大学看護学科の礎となっております。
さて、私たち看護学科同窓会は、1996年4月に設立され、現在では会員数も1,700名を超えるまでになりました。卒業生は、看護師・保健師・助産師・教育職としてそれぞれの道を歩み、さらに専門看護師、認定看護師、特定行為研修修了者として、また助産院を開業するなど、各分野で活躍しております。看護学科が誕生した当時から、医療現場のニーズや社会の変化に応じて柔軟に対応し、質の高い看護職を多く輩出してきたことは、我々同窓生の誇りでもあります。卒業生一人ひとりが、全国各地、また海外で活躍し、患者さんやご家族に寄り添い、地域医療の向上に寄与している姿は、看護学科の教育の成果そのものです。
30周年という大きな節目は、新たな未来へ向けて歩み出す絶好の機会でもあります。これまでの歩みを振り返りつつ、これからの時代、看護職にはより一層、多様な役割と柔軟な対応力が求められることでしょう。同窓会といたしましても、卒業生同士のつながりを深めるとともに、在学生や母校への支援を通じて、看護学科のさらなる発展に寄与してまいりたいと考えております。同窓会の活動の詳細は、「旭川医科大学看護学科同窓会ホームページ」(https://asahikawa-dousoukai-kango.jp/)にて紹介しております。
今後も皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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