■ 用語集
1.人を対象とする生命科学・医学系研究
>>人を対象とする生命科学・医学系研究
人(試料・情報を含む)を対象として、以下を目的として実施される活動。
①傷病の成因の理解
②病態の理解
③傷病の予防方法の改善又は有効性の検証
④医療における診断方法及び治療方法の改善又は有効性の検証
人由来の試料・情報を用いて、ヒトゲノム及び遺伝子の構造又は発現に関する研究
「生命科学・医学系研究」には以下が含まれます。
人の基本的生命現象におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究、医学系研究(医科学、臨床医学、公衆衛生学、予防医学、歯学、薬学、看護学、リハビリテーション学、検査学、医工学の他、介護・福祉分野、食品衛生・栄養分野、環境衛生分野、労働安全衛生分野等で、個人の健康に関する情報を用いた疫学的手法による研究及び質的研究、AIを用いたこれらの研究)が含まれます。
「ヒトゲノム・遺伝子解析」には以下が含まれます。
人の個体を形成する細胞に共通して存在し、その子孫に受け継がれ得るヒトゲノム及び遺伝子のみならず、がん等の疾病において、病変部位にのみ後天的に出現し、次世代には受け継がれないゲノム又は遺伝子も含まれます。
2.介入研究
>>研究目的で、ヒトの健康に関する様々な事象に影響を与える要因の有無又は程度を制御する行為
※主に治療法等の選択に関わる研究が該当します。
①通常の診療を越えた医療行為であって、研究目的で実施するもの
②通常の診療と同等の医療行為であっても、被験者の集団を原則として2群以上のグループに
分け、それぞれに異なる治療方法、診断方法、予防方法その他の健康に影響を与えると考えら
れる要因に関する作為又は無作為の割り付けを行ってその効果等をグループ間で比較するもの
※患者さん対象以外に、健康人に対する美容形成・豊胸手術、禁煙指導、食事療法等の新たな方法を実施し従来の方法との差異を検証するために前向きに異なるケアを実施する場合も含まれます。
3.観察研究
介入研究以外のもの。
通常の診療の範囲内であって、いわゆるランダム化、割り付け等を行わない医療行為における記録、結果及び当該医療行為に用いた検体等を利用する研究も含む。
4.個人情報
生存する個人に関する情報であって、次に掲げるいずれかに該当するもの。
① 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの
(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
② 個人識別符号が含まれるもの
(例:細胞から採取されたDNAを構成する塩基配列のうち、全核ゲノムシークエンスデータ、全エクソームシークエンスデータ、全ゲノム一塩基多型データ、互いに独立な40
箇所以上のSNP から構成されるシークエンスデータなど。)
5.匿名化
個人情報等について、特定の生存する個人または死者を識別することができることとなる記述等の全部または一部を削除すること。
6.代諾者
生存する研究対象者の意思及び利益を代弁できると考えられるものであって、当該研究対象者がインフォームド・コンセントを与える能力をかくと客観的に判断される場合に、当該研究対象者の代わりに、インフォームドコンセントを与えることができる者のこと。被験者が死亡している場合、疾病等の理由の場合、未成年の場合等が該当します。
7.インフォームド・アセント
インフォームド・コンセントを与える能力をかくと客観的に判断される研究対象者が、実施又は継続されようとする研究に関して、その理解力に応じた解りやすい言葉で説明を受け、研究の実施又は継続を理解し、賛意を表すること。
8.データベースへの登録
介入研究を実施する場合には、厚生労働省が整備するデータベース(Japan Registry of Clinical Trials: jRCT)等の公開データベースに、当該研究の概要をその実施に先立って登録する必要があります。多機関共同研究の場合は、主たる研究責任者が代表し、他機関分も含めて登録することもできます。
現在、下記の登録サイトがあります。
>> jRCT(Japan Registry of Clinical Trials)
>> 大学病院医療情報ネットワーク研究センター 臨床試験登録システム(UMIN-CTR)
なお、国立保健医療科学院の臨床研究(試験)情報検索サイトでまとめて検索することが可能です。
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