■ 臨床研究補償保険の加入対象となる研究とは?
(以下、臨床研究保険を取り扱う国大協サービスの資料に基づいてご説明します。)
以下の研究を実施する場合には、あらかじめ当該臨床研究の実施に伴い被験者に生じた健康被害の補償のために、保険その他の必要な措置を講じておかなければならないことととされています。
人(試料・情報を含む)を対象として、 疾病の成因と病態の理解、疾病の予防方法、診断方法、治療方法の改善・検証を通じて、
健康の保持増進、患者の疾病からの回復と生活の質の向上に資する知識を得ることを目的として実施される研究で、
① 軽微な侵襲を超える「侵襲」かつ
② 通常の診療を超えた医療行為
「侵襲」とは、
①-1 研究目的で行われる、穿刺、切開、薬物投与、放射線照射、心的外傷に触れる質問等によって、
研究対象者の心身又は精神に障害又は負担が生じること
①-2 「軽微な侵襲」とは研究対象者の身体及び精神に生じる障害及び負担が小さいもの。
「通常の診療を超えた医療行為」以下のいずれかに該当するかで判断されます。
②-1 医薬品医療機器当方の基づく承認等を受けていない医薬品(体外診断用医薬品を含む。)
又は医療機器(未承認医薬品・医療機器)の使用。
③-2 既承認医薬品・医療機器の承認等の範囲(効能・効果、用法・用量等)を超える使用。
③-2 その他新規の医療技術による医療行為。 |
以上を踏まえると、以下のとおりです。
補償措置が必要となる研究の早見表
ただし、抗がん剤および免疫抑制剤のうち、除外リストに掲載されているものは保険に加入できない場合があります。
■ どんな場合に補償金が支払われるか?
当該研究と因果関係が認められる死亡または重度障害が発生した場合です。
■ 臨床研究保険を販売している保険会社は?
損害保険ジャパン(株)、東京海上日動火災保険(株)、三井住友海上火災保険(株)の3社が販売しています。
このうち損害保険ジャパン日本興亜損害保険(株)については国立大学法人のみを対象とした保険です。保険料は研究者のご負担となります。
■ 保険料はどのくらい?
研究対象者数や研究期間、研究内容によって大きく幅がありますが、1症例当たりおおよそ800円~10,000円程度といわれています。ただし、健常者を対象とする場合等、リスクが大きな研究になると、これ以上高額になる場合もあります。研究協力係を通して保険会社へ見積依頼をしますので、こちらの様式からお申し込みください。
■ 保険加入以外の補償措置は?
研究に使用する医薬品が除外リストに掲載されていた場合、保険会社へ見積を提出した後に加入不可の回答があった場合、あるいは何らかの事情で臨床研究保険へ加入することができない場合は、医療費または医療手当を用いた補償措置や対象者への説明文書に記載しインフォームド・コンセントを取得することが必要になります。
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