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臨床実績報告

入院患者数・手術件数の推移

病棟医長 片田彰博

原渕保明教授が赴任された1998年度の入院患者数は年間約200例であった。当時は病院改築工事とそれに伴う病棟再編が完了しておらず、数年間は入院患者数も大きく増えずに経過していたが、2002年頃から入院患者が徐々に増加し始めた。2004年には国立大学が独立行政法人化し、2005年にはDPCが導入され、大学病院にも稼働率の上昇と平均在院日数の短縮が当たり前のように要求されるようになったが、その後も皆様のご協力により順調に入院患者数は増え続け、2007年度には年間600例を超えるようになった。最近の4〜5年は大きな変化がなく、病床数28床に対して稼働率が約90%、平均在院日数は13日前後で推移している。

入院患者のほとんどが手術を必要とする患者であり、入院患者の増加に伴って手術件数も年々増加してきた。年間の手術件数は1998年度には200例を下回っていたが、その後は順調に増加し続け、2007年度以降では年間500例以上を維持している。2008年度からは外来での入院予約の時点で入院日と手術日を決定するシステムに変更したことによって、患者の希望する日程で入院・手術をおこなうことができるようになったことも手術症例の増加につながっていると思われる。手術の内容については、年間500件の手術のうち、耳科手術、鼻科手術、甲状腺手術、がそれぞれ約100件ずつ、扁桃摘出と喉頭の手術がそれぞれ50件ずつで残りの100件は唾液腺手術、リンパ節生検、気管切開、頭頸部癌に対する手術などである。この内訳は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の全領域にわたって多彩な手術がおこなわれていることを示しており、他大学と比較しても非常によいバランスが保たれていると思われる。その一方で、人工内耳埋込術、内視鏡補助下甲状腺手術、喉頭枠組み手術、内視鏡下唾石摘出術などの主に大学病院でしかおこなわれていない手術も年々増加してきている。最近では、悪性腫瘍に対する喉頭全摘術や下咽喉頭頸部食道摘出術は減少傾向にあるが、これは2000年頃から頭頸部進行癌に対して放射線同時併用の超選択的動注化学療法を積極的におこなっているためである。動注化学療法の導入によって、喉頭癌や下咽頭癌の進行期症例における局所制御率や喉頭温存率は明らかに改善している。

平素より同門の先生方からは、多数の貴重な症例を旭川近郊のみならず全道各地より紹介いただいている。我々は、増加し続ける入院・手術症例に対して、提供する医療の質が低下することがないように務める必要があることを痛感しており、日頃の関係各位の皆様のご理解とご協力に対して、あらためて感謝申し上げたい。