1976年11月, 旭川医科大学附属病院開院と同時に精神科神経科の診療が開始されました. 現在の病床数は31床, 13対1の看護基準で平均在院日数は約50日となっています. 統合失調症, 気分障害(うつ病や双極性感情障害など), 神経症性障害(適応障害や摂食障害など), 認知症など, あらゆる精神疾患の精査・加療に対応しています. 併せて, 総合病院精神科として身体合併症のある方の入院加療も積極的に受け入れています. コンサルテーション・リエゾン診療にも力を注いでおり, せん妄や症状性を含む器質性精神疾患に対する治療的介入をはじめ, 院内の他診療科と緊密に連携した精神科医療を提供しています.

 病棟では, 屋根瓦方式の指導を実践し, 主治医と指導医がペアを組んで診療にあたっています. 毎週行われる症例カンファレンスでは, 新入院や入院中の患者さんひとりひとりについて, 時間をかけて綿密な協議を行っております. カンファレンスには, 医師だけでなく, 看護師, 薬剤師, 精神保健福祉士, 臨床検査技師, 医療秘書なども参加し, 患者さんに関する情報共有, 診断と治療方針の検討, 社会資源の導入計画などについて, 多職種チームによる活発な議論や切れ目のない支援が行われています.

睡眠検査

 当科は2002年, 日本睡眠学会「睡眠医療認定医療機関A型」に指定され, 精神科病棟には, ビデオ・ポリソムノグラフィー(video- polysomnography:V- PSG)を施行できる専用の病室(個室2床)とモニタリングルームなどで構成されるモニタリングシステムが完備されています. 快適な個室環境で, 患者さんの睡眠・覚醒, 行動, 生体現象に関する検査データが長時間にわたって記録されます. そのデータ解析は, 日本睡眠学会専門医, 日本睡眠学会認定検査技師, 米国認定検査技師からなるエキスパートによって行われ, これまで約3,000件を超える検査を行ってきました.

 不眠, 起床困難, 日中の強い眠気, 眠くなる時間帯のずれ, 睡眠中の異常現象(けいれん, 寝言, 徘徊, いびき, 無呼吸, 足のぴくつき), などに関する精密検査を行っております. また, ビデオ・ポリソムノグラフィーによるてんかんの精密検査も行っております.

検査専用の病室はリラックスできる雰囲気の個室
ビデオ・ポリソムノグラフィ-モニタリングルーム