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 令和4年4月1日付で旭川医科大学精神医学講座教授に就任いたしました橋岡禎征(はしおかさだゆき)と申します. 本講座は森田昭之助先生を初代教授として昭和51年4月に開講し, 以後, 宮岸勉先生, 千葉茂先生と引き継がれ, 3人の歴代教授の熱意とご尽力により発展してきました. 開講から47年目の春, 私が第4代教授として引き継ぐことになりました. 本講座同門の先生方は100名近くおられ, 名寄市立総合病院や北海道立緑が丘病院といった道北・道東地域の基幹病院をはじめ, 地域医療の第一線の担い手として全道各地で活躍されています.

 私の臨床の専門分野は認知症診療です. 2025年, 日本人の3人に1人が65歳以上になり, 認知症患者は700万人にもおよぶと予測され, 2025年問題と呼ばれていますが, 旭川市では既に3人に1人が65歳以上になっています. 認知症診療の重要性が今後ますます増していく中, 道北・道東地域の高齢化にしっかり対応できる精神科医療を実践して参ります. 認知症診療以外にも, 睡眠に関する疾患の適切な診断と治療, うつ病による休職患者への支援, 周産期女性のメンタルケア, 発達障害に関連した児童のメンタルケアなど, 現代のストレス高齢化社会における精神科医療のニーズは多岐にわたります. まだ私たちの講座は全てを十分カバーするには至っておりませんが, 今後, 地域のあらゆる精神科ニーズに応えられる体制を整備して参ります.

 私の研究の専門分野はNeuroinflammation研究です. 脳内の慢性炎症であるNeuroinflammationは元来, アルツハイマー病をはじめ, 認知症を来す神経変性疾患で見出された病態ですが, 近年は統合失調症, うつ病といった精神疾患にも関与していることが明らかにされています. Neuroinflammation研究はニューロサイエンスの中でも, 近年, 最も発展が著しい研究分野と言っても過言ではありません. 私はNeuroinflammation研究を通して海外留学の機会に恵まれましたし, 現在も留学先との共同研究や国際学術誌の編集活動など, 国際的な学術活動に携わっています. 今後も国際的視野を持ちつつ, 地域の精神科医療に還元できる研究成果の創出を目指します. 私たちと一緒に魅力あふれる北海道の地域に根ざしながら, 世界につながる精神科医療と研究の海へ漕ぎ出しましょう.

旭川医科大学精神医学講座

教授 橋岡 禎征

出 身 地: 神奈川県 (浅野高等学校卒業)

略   歴: 1998年  宮崎医科大学卒業

       1998年  九州大学病院精神科 研修医

       2006年  九州大学大学院博士課程修了

       2006年  ブリティッシュコロンビア大学医学部 博士研究員

       2012年  島根大学医学部精神医学講座 講師

       2020年  島根大学医学部精神医学講座 准教授

       2022年  旭川医科大学精神医学講座 教授

学術誌編集: Frontiers in Neuroscience (Associate Editor)

       CNS Agents in Medicinal Chemistry (Regional Editor of Asia)

       CNS & Neurological Disorders-Drug Targets (Editorial Board Member)

       Neuroglia (Editorial Board Member)

       日本生物学的精神医学会誌 (編集委員)