耳鼻咽喉科豆知識

睡眠時無呼吸症候群 睡眠中の呼吸の以上について

喉頭麻痺の症状

1. 音声障害(嗄声)

声を出すための声帯はのど仏の高さで気管・肺への入り口に左右1対の粘膜のヒダとして存在します。呼吸をしているときには左右の声帯のすき間(声門)は開いた状態にありますが、発声時には息を吐き出すのに合わせて声門が閉じ、肺から吐き出された空気が声門を通過するときに声帯を振動させることで声の源となる音が作り出されます。左右どちらかの声帯の動きが麻痺をおこすと、発声時に声門が十分に閉鎖せず、すき間ができてしまうために力の抜けたような弱々しい声になります。

2. 嚥下障害

嚥下は食べ物を口の中に保持しながらかみ砕き一度に飲み込めるだけの固まりをのどに押しこむ第1相(口腔相)、のどに押し込まれた食べ物がのどを通って食道にはいるまでの第2相(咽頭相)、食物が食道を通って胃に入るまでの第3相(食道相)が連続したはたらきです。 喉頭麻痺ではこのうち咽頭相が障害され、食物がうまく飲み込めない、食物が気管に入るなどの嚥下障害を生じます。

3. 呼吸困難

左右どちらか一方のみの声帯が麻痺した場合には発声時の声門の閉鎖が不十分になることで音声障害(嗄声)を生じますが、両側の声帯が麻痺すると、多くの場合声門が閉じられた位置で声帯が動かなくなるので呼吸困難を生じます。この場合、空気の通り道を確保するために気管に穴をあける気管切開が必要になることがあります。