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Vol.18 June 2026
 
旭川医科大学に関わるすべての皆様方に本学の活動状況を定期的にお知らせしたい、本学をもっと知っていただきたい、そんな思いで毎月1回ニュースレターを配信しています。
 
Contents
・○○目線 「副病院長(事故防止担当)目線」
・ニュース ネーミングライツパートナー募集、メディア掲載
・今月はココに注目! ARどうぶつえん
・イベント情報 講演会やセミナー情報、更新されています。
・深掘りします 令和7年度学術研究表彰受賞テーマ
・学長#ひとりごと 「50年」
 
 
○○目線 パチクリ目のマーク
Vol.18は副病院長(事故防止担当)目線
副病院長(事故防止・評価・臨床研究担当) 松本 成史
 

副病院長(事故防止・評価・臨床研究担当)の松本 成史です。私の担当領域は多岐にわたりますが、今回は事故防止を担う「医療安全管理責任者」としての目線から、当院の医療安全の現状と今後の方向性についてお伝えいたします。

医療安全は、個々の職員の努力だけで達成されるものではなく、組織としての仕組みと文化の両輪によって支えられるものです。私は常に、「現場が安心して医療を提供できる環境を整えること」を最優先の使命と考えています。近年、医療の高度化や多職種連携の複雑化に伴い、ヒューマンエラーや情報伝達の齟齬が生じやすい状況が増えています。

さらに、令和8年度の医療法施行規則等の改正により、従来のインシデント報告に加えてa類型・b類型という新たな分類でのモニタリングが求められます。これにより、より精緻な現状把握と再発防止策の立案、そして確実にPDCAサイクルを回す体制整備が不可欠となります。

リスクを最小化するためには、個々の事例対応にとどまらず、組織として管理体制を不断に見直し、改善を積み重ねる姿勢が重要です。私が担当となってからは、医療安全管理委員会の改革をはじめ、管理体制の強化を進めてまいりました。医療安全管理部門では、インシデント分析や再発防止策の立案に加え、現場の負担を軽減しながら安全性を高める取り組みを継続しています。

しかし、どれほど優れた仕組みを整えても、現場で適切に運用されなければ十分な効果は得られません。重要なのは、教職員一人ひとりが「安全は自分ごとである」という意識を持ち、気づきを共有し、改善に向けて協働できる文化を育むことです。

医療安全管理責任者としての私の役割は、現場の声に真摯に耳を傾け、課題を可視化し、必要な資源や支援を迅速に提供することにあります。また、管理体制に不備や改善の余地がある場合には、管理者(病院長)とともに組織として責任を持って見直し、再発防止に向けた仕組みを整えることが求められます。

最後に、来年秋には当院が「第41回国立大学附属病院医療安全管理協議会総会」を担当いたします。開催校として、教職員の皆さんとともに、安全で質の高い医療を提供できる体制のさらなる強化に取り組んでまいります。

医療安全は「誰かが守るもの」ではなく、組織全体で創り上げるものです。今後とも皆様のご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 
 
ニュース
ネーミングライツパートナーを募集しています

本学では、「旭川医科大学ネーミングライツ事業ガイドライン」のもと、施設の維持・管理を主とする教育研究環境基盤強化のための新たな原資獲得を目的として、ネーミングライツパートナーを募集しています。
詳しくは こちらからご覧ください。

 

HBC「もっと知りたい!まちのお医者さん」出演
旭川医科大学病院が、HBC「もっと知りたい!まちのお医者さん」で紹介されました。
3分間という短い放送時間ですが、当院が担う地域医療の使命や取り組みを分かりやすくお伝えする内容となっています。
詳しくは こちらからご覧ください。

 

名寄新聞「地域医療は大学全体で」「名寄市病中心に「リレー方式」で支援-旭医大」掲載
2026年5月13日の北海道新聞に本学関連記事 “医師偏在解消へ「玉突き派遣」” が掲載されました。
詳しくは こちらからご覧ください。

 

HBC「今日ドキッ!」出演
地域の病院を拠点にして遠隔地に医師を派遣する「リレー支援」の取組について、内科学講座(消化器内科学分野)の藤谷教授、地域共生医育センターの牧野教授がインタビューを受け、番組が放送されました。
詳しくは こちらからご覧ください。

 
 
 
 
◎今月はココに注目!  「ARどうぶつえん」
 
「ARどうぶつえん」小児科病棟ほかでの常設導入決定

小児科

 

小児科では、株式会社STARIUMと一般財団法人旭川産業プラザとの協力のもと、院内に「ARどうぶつえん」を常設導入することとなりました。
「ARどうぶつえん」は、旭山動物園が監修する、拡張現実(Augmented Reality:AR)技術を活用したコンテンツです。
専用アプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレット端末等をかざすと、その場に動物たちが現れ、まるで目の前を動き回っているかのような体験ができます。

2024年に当院で実施した1日限定の先行イベントでは、多くの小児患者さんやご家族から大変ご好評をいただき、院内療養環境の改善につながる大きな可能性を実感しました。

このたび、市内を中心として企業・団体の皆さまからのご協賛をいただきながら、「ARどうぶつえん」の常設導入を進めることといたしました。
運用開始は今夏を予定しており、当面は小児科病棟のロビーおよびプレイルーム、ならびに病院正面玄関ロビーに「ARどうぶつ」たちが”生息”する予定です。

入院中のこどもたちが、笑顔になれる空間づくりにつながることを願っています。

「ARどうぶつえん」について詳しくはプレスリリースをご覧ください。

なお、本取り組みの趣旨にご賛同いただき、ご協力いただける企業・団体の皆さまからのご協賛を募集しております。ご検討いただける場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ARライオン
▲2024年イベント時の「ARライオン」
 
 
 
イベント情報
旭川医科大学、旭川医科大学病院では地域の皆さん、患者の皆さんに向けてさまざまな講演やセミナー等を行っています。
大学ホームページ または 病院ホームページ をチェックしてみてください。
 
イベント情報のスクショ
最新の医療情報、イベント、採用情報などを随時発信しています。ぜひフォローして、病院の「今」をチェックしてください! 大学公認アカウントに6月から新たに「旭川医科大学図書館(公式)X」が加わりました。
Instagram・X(旧Twitter)・YouTube・ LINE公式
 
 
 
 
深掘りします 学術研究表彰 深掘りシャベル
今年も旭川医科大学学術研究表彰者の推薦が行われ、これから選考が始まります。そこで今月は令和7年度学術研究表彰を深掘り。受賞者の2人から受賞テーマを紹介します。
学術研究表彰について詳しくはこちらからご覧ください。
 
 
血液検査から膵がんの早期発見に挑む
-リキッドバイオプシーによる次世代診断の社会実装へ向けて-

内科学講座(消化器内科学分野)講師 高橋 賢治

 

私は消化器内科医として、全てのがん腫の中で最も予後不良である「膵がん」の早期発見と治癒を目指した研究に取り組んでいます。膵がんは初期段階での自覚症状が乏しく、診断された時にはすでに進行しているケースが多いことが最大の課題です。

この問題を克服するため、私たちは血液や膵液などの体液から、微量ながん由来物質を検出する「リキッドバイオプシー(液性生検)」という最先端の診断技術の開発に注力しています。具体的には、がん細胞が分泌する細胞外小胞(EV)やRNA、微量な遺伝子変異など分子レベルの情報を多角的に組み合わせる解析体系の構築を進めています。このようながん由来の様々な情報を併用したリキッドバイオプシー研究は国内外でも前例が無く、より高感度かつ高精度な診断能を担保可能な点が強みであり、数ある他のバイオマーカー研究と比べて大きなアドバンテージを有すると考えています。このような解析手法を用い、病理診断を補完し「ステージ0/1」といった極めて早期の段階でも、高い精度で膵がんを診断できる可能性を切り拓きつつあります。

現在、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所をはじめとした国内外の多施設との共同研究や、株式会社日立ハイテク、HUグループ中央研究所など企業との連携により、実際の臨床現場で活用できる高精度な「膵がん診断パネル」の開発・実用化を進めております。本研究の成果は、膵がんの治療成績を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。また、この取り組みは、令和7年1月に本学で行ったクラウドファンディングにおいて、多くの皆さまから研究費のご支援をいただきました。

さらに、この最新の診断技術をいち早く医療現場へ還元すべく、地域の医院・クリニックと中核病院が連携する「旭川版膵がん早期診断地域連携プロジェクト」の体制構築にも着手しました。今後も「医療に還元できる研究」を理念に、基礎から地域医療への実装まで、産学官連携のもとで活動を進めてまいりたいと思います。

本研究に際し温かいご寄附を賜りましたこと、心より深く感謝申し上げます。皆様からのご厚意は、私どもの大きな励みとなっております。今後とも変わらぬご理解と温かいご声援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

さらに詳しく知りたい方へ
● これまでに発表した、膵がん早期発見に向けたリキッドバイオプシーの課題と展望についての総説論文(英語)です。
Takahashi K, et al.
"Current status of molecular diagnostic approaches using liquid biopsy"
J Gastroenterol. 2023.

● クラウドファンディングのプロジェクトページです。
膵がん早期診断へ向けた、血液を用いる新たな診断法の開発(高橋 賢治 2025/01/15 公開)- クラウドファンディング READYFOR

 
 
 

いとこまでの血縁関係を識別可能な微量試料からのDNA鑑定法の確立

法医科学講座 准教授 浅利 優

 

人の体の中には、その人だけが持つ「DNA」という設計図があります。一卵性双生児を除けば、DNAは一人ひとり異なるため、個人を見分ける手がかりとして利用できます。DNAの一部を調べて本人確認を行う技術が「DNA鑑定」です。

DNA鑑定は、現在は犯罪捜査で広く使われているほか、大規模な災害などで身元がわからなくなった方を特定するためにも活用されています。しかし、一般的なDNA鑑定では、親子や兄弟姉妹のような近い血縁関係は調べられるものの、おじ・おばと甥・姪、いとこなど、より遠い親族関係を調べることは簡単ではありません。

私は、これまでよりもはるかに多くのDNA情報を利用することで、こうした遠い親族関係も調べられる新しいDNA鑑定法の開発に取り組んでいます。従来は約20か所のDNA情報を利用していましたが、この研究では約2,000か所を調べることで、より詳しい血縁関係の判定を可能にしました。

旭川医科大学法医科学講座では20年以上にわたり、厚生労働省の海外戦没者慰霊事業の一環として行われている、第二次世界大戦で亡くなられた方のご遺骨のDNA鑑定に携わっています。私の研究は、海外の高温多湿な環境などで長い年月を経てDNAが傷んでしまったご遺骨の分析にも役立つことが期待されており、ご遺族のもとへご遺骨をお返しするための支援につながる可能性があります。

本人確認のためのDNA鑑定に用いられる血縁者
 
 
○学長#ひとりごと○

「君たちにはわからないだろうなあ。」高校の授業で、国語の先生はそうおっしゃいながら、ヘミングウェイの小説に関して私たちにある質問をされました。その後、折に触れその問いについて考えを巡らしてきましたが、まだ答えが見つかりません。50年も考えさせるのですから、教育の力は大きいですね。

※右写真:ヘミングウェイ『われらの時代』(角川文庫、学長所蔵)

ヘミングウェイ
▲高校生の時に買った文庫本
(すでに絶版になっています)
 
◆旭川医科大学基金から◆

旭川医科大学基金は、旭川医科大学における教育及び研究活動の充実を図るとともに、地域に根ざした医療・福祉のさらなる向上を目指すことを目的としています。人口減少、少子高齢化が急激に進むとともに、社会情勢が激変する困難な時代ですが、私たちは、地域の皆様に信頼され、誇りに思っていただける旭川医科大学を目指して全力で取り組みます。本学のこれからの歩みに期待していただき、皆様の温かいご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

※旭川医科大学基金へのご寄附は税法上の優遇措置の対象です。
  基金について詳しくは こちら からご覧ください。

 
◇旭川医科大学の広報誌たち◇
  こちら からご覧ください。
●大学概要  ●旭川医科大学研究フォーラム
●大学広報誌「かぐらおか」Web版  [New]病院広報誌「病院ニュース」
 
 
◆本学の活動にご支援・ご参加いただいた方々へ◆
日頃から本学の活動にご支援・ご協力をいただき誠にありがとうございます。
クラウドファンディングへのご支援や本学公開講座等の申込時に、本学からのご案内の受け取りを希望しご登録いただいた方々へ、ニュースレターをお届けしています。今後もニュースレターのほか基金の活動や各種講演会等のご案内もお届けしていく予定です。
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発行・問合せ先
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発行:旭川医科大学
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