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副病院長(事故防止・評価・臨床研究担当)の松本 成史です。私の担当領域は多岐にわたりますが、今回は事故防止を担う「医療安全管理責任者」としての目線から、当院の医療安全の現状と今後の方向性についてお伝えいたします。
医療安全は、個々の職員の努力だけで達成されるものではなく、組織としての仕組みと文化の両輪によって支えられるものです。私は常に、「現場が安心して医療を提供できる環境を整えること」を最優先の使命と考えています。近年、医療の高度化や多職種連携の複雑化に伴い、ヒューマンエラーや情報伝達の齟齬が生じやすい状況が増えています。
さらに、令和8年度の医療法施行規則等の改正により、従来のインシデント報告に加えてa類型・b類型という新たな分類でのモニタリングが求められます。これにより、より精緻な現状把握と再発防止策の立案、そして確実にPDCAサイクルを回す体制整備が不可欠となります。
リスクを最小化するためには、個々の事例対応にとどまらず、組織として管理体制を不断に見直し、改善を積み重ねる姿勢が重要です。私が担当となってからは、医療安全管理委員会の改革をはじめ、管理体制の強化を進めてまいりました。医療安全管理部門では、インシデント分析や再発防止策の立案に加え、現場の負担を軽減しながら安全性を高める取り組みを継続しています。
しかし、どれほど優れた仕組みを整えても、現場で適切に運用されなければ十分な効果は得られません。重要なのは、教職員一人ひとりが「安全は自分ごとである」という意識を持ち、気づきを共有し、改善に向けて協働できる文化を育むことです。
医療安全管理責任者としての私の役割は、現場の声に真摯に耳を傾け、課題を可視化し、必要な資源や支援を迅速に提供することにあります。また、管理体制に不備や改善の余地がある場合には、管理者(病院長)とともに組織として責任を持って見直し、再発防止に向けた仕組みを整えることが求められます。
最後に、来年秋には当院が「第41回国立大学附属病院医療安全管理協議会総会」を担当いたします。開催校として、教職員の皆さんとともに、安全で質の高い医療を提供できる体制のさらなる強化に取り組んでまいります。
医療安全は「誰かが守るもの」ではなく、組織全体で創り上げるものです。今後とも皆様のご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
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