心理学研究室


1. 教育研究

(1)自己制御検査を確立する研究
 小学校において、割引検査や調整修正型自己制御尺度等の心理検査を行い,就学児用の自己制御検査の確立を目指します.
(2)自己制御検査により指導効果を評価する研究
 自己制御を高めるための指導の前後で各生徒の自己制御傾向を価値割引検査と自己制御検査により評定することで,自己制御検査の実用性を明らかにします.
(3)自己制御検査により療育効果を評価する研究
 弘前市内の特別支援学校で、自己制御獲得の訓練を行う研究を実施し、自己制御検査と従来の評価法との関係を明らかにします.
(4)自己制御検査による勉強行動の予測の研究
 大学生を対象として、価値割引検査等の自己制御検査と、実際の勉強行動と学習態度の関係を調べることで,自己制御と実際の勉強行動が最終的にどのように成績に結びつくかを分析します.
(5)自己制御尺度を全国レベルで行うエコロジカル研究
 遅延割引尺度の標準化を行うため、国内の各地で、遅延割引質問紙と既存の自己制御尺度を実施します.この調査と平行して、単一の等価点から割引率を推定する方法(簡易版)の開発を目指します.

2. 医療研究

(1)糖尿病における自己制御の研究
 2型糖尿病患者の自己制御傾向と,退院後の自己制御行動の関係を明らかにします.これにより、糖尿病の経過、再発しやすさ等を予測する糖尿病用の自己制御検査を確立します.
(2)嚥下障害用の自己制御検査の確立
 嚥下障害は、いわゆる飲み込む機能の障害であり、加齢現象として筋・靱帯などがゆるんで嚥下障害が引き起こされます.そこで、嚥下障害の患者を対象として新たな自己制御検査を開発し、標準化のための大規模調査研究を行います.さらに,嚥下障害用の自己制御尺度を開発するために、口腔衛生自己制御尺度を作成します.
(3)嚥下障害用の自己制御検査を用いた新しい看護プログラムの開発
 ベースラインとして現在の口腔衛生維持行動の調査と自己制御検査を行い、同時に看護プログラムとしてセルフモニタリングを記録することで,看護プログラムを評価します.
(5)予防・診断・治療に役立つ汎用自己制御検査の開発
 一連の研究の成果をふまえて,教育用,及び,医療用の汎用自己制御検査の開発研究の道を切り開きます.