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Vol.5 May 2025
 

旭川医科大学に関わるすべての皆様方に本学の活動状況を定期的にお知らせしたい、本学をもっと知っていただきたい、そんな思いで毎月1回ニュースレターを配信しています。

Contents  
・〇〇目線 Vol.5は「副学長(研究)目線」の旭川医科大学
・ニュース ◎今月のニュース ココに注目!
・イベント情報  医大祭、市民公開講座
・深堀りします 看護学科棟玄関のレリーフ
・病院からのお知らせ 料金の改定について
・学長#ひとりごと ロールプレイ実習

○○目線パチクリ目のマーク  Vol.5は副学長(研究)目線

副学長(研究) 川辺 淳一
 本学の研究活動・アカデミア力をいかに高めていくかという任務を仰せつかっております副学長の川辺です。私は、本学を卒業後、今、トランプ大統領の大学言論統制問題で注目されているコロンビア大学やハーバード大学など米国で十年間教員として従事した後、母校に戻って臨床医と研究医の二足の草鞋生活を続けております。
 医科大学である本学(附属病院)は、地域医療を支えるという責務はもちろん、大学として教育と研究という二つの重要な役割があります。多くの人にとって、研究の重要性はなんとなく理解できても、実態はよくわからないかもしれません。医師でいうと、臨床医と研究医の違いは、よく火事に対する対応で例えられます。「今、燃えている家を消火する」のが臨床医に対して、火事の後に「今後、いかに火事をおこさない、火事になっても最小限にする」ための対策を考えるのが研究医ということになります。また、研究成果によっては、臨床医が活動する地域で生涯、治療・救える命の、2〜3桁違う数の世界中の患者さんを救う可能性(夢)があるのも特徴です。したがって、本学の附属病院で勤務される医療者(教員)の多くは、自身の苦い思い出と、これを繰り返さないというリベンジの気持ち、未来の医療への夢をもちながら、忙しい臨床業務の合間をぬって医学研究をしております。
 研究について、もう一つの視点でお話させていただきます。これは、特に未来の医療で活躍する若者へのメッセージにもなります。今、我々は「AI革命」の時代を生きているといわれています。かつての「産業革命」の歴史が示すように、「革命」とは社会の構造・社会観が劇的に変容していく時代ということです。今後、これまで経験したことのない少子高齢・人口減少社会という不透明な未来を切り拓いていく人材が必要とされます。研究を経験することは、研究技術を取得するだけでなく、未知なものを解明しようとするサイエンスマインドを醸成する教育そのものです。研究は、決して研究者だけが行うものでなく、未来で活躍する医療者にとっても、重要な教育の「教材」といえます。大学教育の本質は、医療者の国家資格を得るだけでなく、医療者になった後に活躍できるエンジン(サイエンスマインド)を培うことといっても過言でありません。
 さて、法人化された大学では、働き方改革の中、大学教員自らが研究資金を調達しながら、研究を進めなければなりませんので、ますます大変です。最近では、大学の基金やクラウドファンディングなど社会の皆さまの寄附・援助をうけて、多くの人の想いに勇気づけられながら、日々頑張っておられる教員もおります。未来の医療・未来の医療者育成のための研究活動に対して、附属病院を利用される方にも、社会の皆様にも、今後も引き続きのご理解とご支援をいただければ思います。

ニュース

海外医療支援活動の実施について
 2025年3月22日から29日にかけて、歯科口腔外科学講座を中心とする診療隊5名(医学生1名を含む)がベトナム・ベンチェ省を訪問し、グエンディンチュー病院にて口唇口蓋裂患者を対象とした無償での医療支援活動を実施しました。詳しい内容はこちらからご覧ください。

その他のニュースはこちら

◎今月のニュース ココに注目!

 2025年5月1日に就任されたおふたりの先生から教授就任のご挨拶をいただきました。

皮膚科学講座 教授 藤田 靖幸 先生
 皮膚科学講座藤田靖幸教授お写真このたび2025年5月1日付で、当学皮膚科学講座教授を拝命いたしました藤田靖幸と申します。
 私は2002年に北海道大学を卒業しました。大学院では、表皮水疱症という生まれつき皮膚が非常に弱くなってしまう遺伝性の病気に対して、幹細胞による治療ができないか研究をしてきました。その後は表皮水疱症や乾癬の専門外来を担当しつつ、日常診療で疑問に思ったことを幅広く下級医の先生方とともに取り組んできました。また、表皮水疱症や乾癬、結節性硬化症、壊疽性膿皮症といった難治な皮膚疾患に対する治験に携わってきました。その後は札幌市立病院で臨床医として勤務しつつ、全国学会の運営などに従事しておりましたが、様々な縁が重なって当講座をお任せいただくことになり、大変光栄に存じます。
 当講座は大河原章先生、飯塚一先生、山本明美先生と、乾癬や形態学、皮膚病理学に造詣の深い教授が教室を牽引され、国内外にその名を響かせてきました。教室の良き伝統を引き継ぎながら、臨床研究や乾癬・希少皮膚疾患など、私が貢献できる分野を伸ばすことに注力したいと考えています。皆様方におかれましては、ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
 
腎泌尿器外科学講座 教授 沼倉 一幸 先生
 腎泌尿器外科学講座沼倉教授お写真2025年5月1日より旭川医科大学腎泌尿器外科学講座の教授を務めさせていただいております沼倉一幸と申します。腎泌尿器外科学講座は1973年の旭川医科大学開学と同時に泌尿器科学講座として開講され、教授職は黒田一秀先生、八竹直先生、柿崎秀宏先生と引き継がれ、私は4代目となります。
 私たちが担当する尿路生殖器疾患は高齢者に多く、人口構成割合の高齢化が進む日本では対象となる患者さんが増えているのが特徴です。旭川医科大学の医療圏である道東道北地域は人口の減少は進むものの高齢化人口は逆に増加しており、しばらくは患者さんの増加傾向が続くと予想されています。このような中、私の目標は、道東道北地域の尿路生殖器疾患の患者さんに対して、標準治療だけでなく、高度および先端治療まで旭川医科大学で完結できるような体制を常に整え続けることと考えております。
 私自身は尿路生殖器の悪性疾患と慢性腎不全に対する治療を専門として研究および診療を行なって参りましたので、今後も旭川医科大学の状況に合わせながら、さらなる発展を目指したいと思います。それが、患者さんの希望する人生を守ることにつながり、私たち医療者にとってもやりがいと成長につながることと信じております。
 そのために良い仲間を募り、人と地元に興味を持ち続けて行きたいと思いますので、ご指導をよろしくお願いいたします。

イベント情報

医大祭2025

今年の医大祭は6/7(土)、8(日)に開催されます!テーマは『医心同体』、学生が一丸となり、今年の医大祭も盛り上げていきます!

東京大学卒・現役研修医の石橋拓真先生をお招きした講演会や、人気芸人2組によるお笑いライブ、寄生虫学を専門とする先生による貴重な公開講座など、目玉企画が盛りだくさん!

多くの学生団体による模擬店やステージ発表の他、地域の方々との交流イベントも多数準備しておりますので、ぜひお気軽にお越しください!

市民公開講座ポスター
旭川医科大学市民公開講座

日時 2025年8月24日(日)14:00〜
会場 旭川医科大学
    緑が丘テラス2階 病院会議室

講演 14:00〜
「病理医ってどんなひと?〜病理診断のはなし、病理研究のはなし〜」
 旭川医科大学病理学講座(腫瘍病理分野) 教授 高澤 啓

講演 15:00〜
「肝がんってどんな人がなりやすい?どんな治療があるの?」
 旭川医科大学外科学講座(肝胆膵・移植外科学分野)教授 横尾 英樹

定員 先着90名

市民公開講座ポスター
◎その他、旭川医科大学、旭川医科大学病院では地域の皆さん、患者の皆さんに向けてさまざまな講演やセミナー等を行っています。
大学ホームページまたは病院ホームページをチェックしてみてください。 
イベント情報のスクショ

深掘りします

看護学科棟玄関のレリーフ
看護学科長 升田 由美子
看護学科棟レリーフのプレートみなさま、4月30日に配信された「旭川医科大学Newsletter」はご覧いただけましたでしょうか。
 その中の「看護学科長目線」と題した文章の末尾に、看護学科棟玄関のレリーフの画像とともに、「3つのA(Accountability:責務、Authority:権限、Autonomy:自律)を持つ看護士(プライマリ・ナース)を表しています。」という注釈が掲載されていました。
 実はこの注釈には、いくつか誤りがございました。お気づきになった方もいらっしゃるかもしれません。この部分は校正を経ずに掲載されたため、今回あらためてご説明の機会をいただきました。
 まず一つ目は、「看護士」という表記についてです。正しくは「看護師」です。実際のレリーフの下部には、小さな木製のプレートに「……看護婦(士)……」と表記されていますが、これは看護学科棟が完成した2000(平成12)年当時、「看護婦(士)」という呼称が使用されていたためです。その後、2001(平成13)年の法改正により「保健婦助産婦看護婦法」が「保健師助産師看護師法」へと改称され、翌2002(平成14)年には性別による名称の区別が廃止され、「看護師」に統一されました。プレートの表記は、ある意味、看護学科開設当時の様子を示す貴重な表現と言えるかもしれません。
 もう一つの点は、誤りというよりも、看護学科の教育理念の変更に関わる内容です。旭川医科大学開学50周年を機に、全学の教育理念・使命が新たに制定されたことに伴い、看護学科でも教育理念を再検討しました。日本看護学教育評価機構(JABNE)による認証審査に際し、医学部教育目標に加えて、看護学科独自の教育目標の明示が必要であるとの指摘を受けたことがきっかけです。
 その議論を経て、看護学科では「3つのA」のうち「Authority:権限」を「Authority:権能」へと表現を変更いたしました。「権能」という言葉はあまり耳慣れないかもしれませんが、「権限」が組織内の地位や役割に基づく、合法的な行為の範囲を示すのに対し、「権能」は法律により認められた、権利を主張・行使する力や能力そのものを意味します。つまり、「権限」は“範囲”に着目するのに対し、「権能」は“能力の内容”に焦点を当てているという違いがあります。
 これからの看護職の活躍を考えるとき、個人のコンピテンシー(能力)に重きを置くことが求められます。そのため、看護学科では「権能」という表現を採用したのです。
 看護学科では、「どのように教育を行い、どのような看護職を育成するのか」というコア・コンセプトを、「3つのA」を通して明確に打ち出しています。このレリーフをご覧になるたびに、教育に対する想いや、学びへの意欲を新たにしていただけたら幸いです。
看護学科棟のレリーフ

病院からのお知らせ

文書料の改定について
 近年の著しい物価上昇による諸経費の増加に伴い、2025年5月1日より文書料を改定しました。ご負担をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
来院者用駐車場利用料金の改定について
 駐車場の維持管理に係る様々な費用が増加する状況において今後も継続して駐車スペースを提供していくため、2025年7月1日より来院者用駐車場利用料金を改定します。ご負担をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

○学長#ひとりごと○
先日、薬理学講座のロールプレイ実習を見学しました。宮崎大学の柳田俊彦教授のご指導のもとで初めて実施されたのですが、医学科学生たちは患者、医師、薬剤師、薬理学者の立場を真剣かつ生き生きと演じていて、本当に感心しました。柳田先生からも「皆さん優秀です」とお褒めの言葉をいただきました!   桂の芽吹き
  ▲学生玄関前の桜。5月8日満開でした。

◆旭川医科大学基金から◆
旭川医科大学基金は、旭川医科大学における教育及び研究活動の充実を図るとともに、地域に根ざした医療・福祉のさらなる向上を目指すことを目的としています。人口減少、少子高齢化が急激に進むとともに、社会情勢が激変する困難な時代ですが、私たちは、地域の皆様に信頼され、誇りに思っていただける旭川医科大学を目指して全力で取り組みます。本学のこれからの歩みに期待していただき、皆様の温かいご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
基金について詳しい内容は こちらから

◇旭川医科大学の広報誌たち◇
●大学概要  ●旭川医科大学研究フォーラム
●大学広報誌「かぐらおか」 ●病院広報誌「病院ニュース」
 こちらからご覧ください。

◆クラウドファンディングにご支援いただいた方々へ◆
旭川医科大学クラウドファンディングへのご支援をいただき、誠にありがとうございました。
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今後ニュースレターのほか各種講演会等のご案内もお届けしていく予定です。
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発行・問合せ先
旭川医科大学ニュースレター
発行:旭川医科大学
お問合せ:kouhou@asahikawa-med.ac.jp(総務課広報・社会連携係)
※ニュースレターに関することのお問合せ窓口です。その他のお問合せはこちらをご覧ください。
〒078-8510 北海道旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号

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