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   「男性が子育てしないなんて勿体ない
          家庭内チームプレイのすすめ」
           

終了報告

2022年2月16日


薬師寺先生

 
 2022年2月16日に第38回二輪草セミナーをweb開催しました。今回は循環器内科医師の薬師寺忠幸先生をお招きし、「男性が子育てしないなんて勿体ない! 家族内チームプレイのすすめ」というタイトルでご講演頂きました。薬師寺先生は、平成13年に防衛医科大学校を卒業後、自衛隊の病院に勤務され、心臓カテーテル治療の研鑽を積まれたのちにアメリカに留学されています。留学により視野が開け、「やりたいことは今やろう!」という価値観をお持ちになり、帰国後はカテーテル室で勤務されたのちに、社会人大学院への進学や2つの株式会社の設立をなさり、昨年内科クリニックを開院する前は3年半程度、兼業主夫として2児の送迎と平日週2回程度の夕食づくりを担当しておられたそうです。
仕事と家庭の両立の難しさは皆が感じることでありますが、時期によりその負荷の大きさや内容は変化します。家事・育児の負荷は増減するので、増えたときにはリアルタイムに夫婦で調整していく関係が大事であることをお話しいただきました。「チームワークで乗り切る家族」としては、言葉によるコミュニケーションを積極的にとり、夫婦で家事育児をリレーすること、やることが決まっていることは見つけ次第さっさとできるほうが片付けて家族の時間を作ること、などが大事とのことです。
ご自身が勤務医をされていた時には両立が難しく、第2子出生のタイミングで働き方を変えたそうですが、出産後に女性の就業率が下がるM字カーブも両立の難しさを示していると思われます。ただ、男性が稼いで女性が家を守る時代からチームワークで家庭を守る時代となり、今後の職場は勤務時間とその業務内容の見直しなども必要であろうこと、一方、職員においては自己主張も必要だが他人への貢献は表裏一体であることにも言及いただきました。
もともとは仕事が生活のほとんどであった薬師寺先生が、子供ができてから料理などの家事をなさるようになったこと、子育ては楽しく、義務ではなく権利であるという認識、さらに兼業主夫としての貴重な経験をお話しいただきました。男性が家事を行う際、クオリティは満点を目指さない、クオリティが低くともやらないよりやったほうが絶対よいとのことです。仕事と家庭の両立のみならず、好きな事をできる個人の時間というのも人生において大事であり、よい医療の提供のためには個人の充実も重要であること、時間というリソースをどう配分するかという視点もお話しいただきました。
最後に、薬師寺先生の会社が女医コン(オンライン開催あり)を主催するに至った経緯について、データも示していただきながらご説明がありました。また、女性医師はどのような人と結婚したら幸せになるのかについて、お考えをお話しいただきました。
薬師寺先生が育児を楽しみ、幸せな家庭生活を送られていること、そして多くの人にとっても仕事と家庭の両立を辛いものとしてではなく、各々の家庭のバランス選択で充実した時間を過ごして欲しいと思っておられることが伝わる、熱意溢れるご講演でした。視聴いただいた皆様から講演後、参考になった、楽しかった、まずは妻に日常のお礼を言った、年頃の学生さんが聞いてくれると自分の人生決定に大きく寄与すると思った、後輩医師のために頑張りたい、などの感想をお寄せいただきました。ご多忙な中ご講演くださった薬師寺先生、視聴いただきました皆様、有難うございました。

              二輪草センター副センター長  赤坂 和美

  
                
セミナースライドより