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「アメリカで臨床医として研究をするということ」

終了報告

2017年12月25日


佐竹 典子先生

 
 2017年12月25日に第29回二輪草セミナーが開催されました。アメリカでご活躍されている12期の佐竹典子先生が『アメリカで臨床医として研究をするということ』と題して自身の研究についてのご講演頂きました。佐竹先生は卒後日本で研修と研究をした後、1997年よりポスドクとしてアメリカへ渡り、臨床研修をやり直し、UCLAのクリニカルフェローを経て2015年よりUC Davisのassociated professorとして臨床と研究を行われています。現在ポスドクを募集中とのことで今回ご自身の研究の内容の紹介がありました。現在小児癌の中で急性リンパ性白血病とneuroblastomaについて研究されており、化学療法後の内分泌や骨の異常、2次癌等の後遺症についての問題点を指摘されました。なかでもcancer stem cellに着目し、どういう遺伝子が表現されているのか、リンクRNAについて、グルコースを取り込まないstem cellの存在についてお話しされました。また、癌だけを攻撃できるターゲット療法についても研究され、より毒性の強い化学療法を減らせるのではないか、抗体を用いて新たな混合療法が出来ないかを考えているそうです。研究の傍らズンバのインストラクターの資格をお持ちで、講演の最後にズンバのレッスンもありました。会場からの質疑応答ではアメリカで研究する事のメリット・デメリットについては、どこのラボないし誰のラボに行くのかは自分が何をしたいかによって違うとのことでした。Clinical trialはアメリカが有利ですがテクニックは何処も同じとのことです。研究テーマの変遷については自分のやりたいことを続けていけるのがベストだがそれは大変な事で、テーマが変わってもそのときに行ったテクニックや考え方は無駄にはならないそうです。トランプ政権になってグリーンカードやグラントがとりにくくなったのではないかとの質問には日本で講演をしているとビザがおりないなどいろいろ大変な話を耳にするがどうすれば良いのかわからないのが現状とのことでした。
今回の参加者は学生3名、職員22名でした。
佐竹先生、お忙しい中貴重なご講演を頂き誠にありがとうございました。


                      (二輪草センター助教 菅野 恭子)



  
セミナーの様子