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医療概論Ⅲ「ワークライフバランスを考えよう」

終了報告

2025年9月1日
対象:医学科3年生



遺伝子診療科
蒔田教授


旭川厚生病院
藤井先生


消化器外科
大原先生

 2025年9月1日、医学科3年生を対象に「ワークライフバランスを考える」講義および実習を実施しました。はじめに教育センター・野津教授よりご挨拶をいただき、その後、二輪草センターの紹介とワークライフバランスに関する講義を行いました。
昨年度のグループ討論では「医局について知らない」という学生の声が多く寄せられたことを踏まえ、今年度は遺伝子診療科・蒔田教授より医局制度に関するご講演をいただきました。続いて、学生たちはグループに分かれ、2つの想定ケースをもとにキャリアプランや課題について討議を行い、対面でのグループ討論を通じて、問題への対処方法や自分・パートナー双方のキャリアの考え方、さらに育児や親の介護など家族状況が人生設計に与える影響について理解を深めました。
「先輩医師のワークライフ体験談」では、以下の2名の先生にご講演いただきました。
• 藤井大翔先生(旭川厚生病院)
 小児科医である奥様と医師国家試験の2週間後に入籍され、大学での初期研修後、3~4年目には遠軽厚生病院で勤務。道からの奨学金の兼ね合いで定められた病院の中から、小児科医局と相談し同病院を選択されました。医師3年目に第一子を授かり、当番や当直のスケジュールを夫婦で調整しながら子育てを分担。子どもの発熱時には、理解ある上司の配慮により早退が認められた経験も紹介されました。共働きで育児を考える場合、お互いの医局の関連病院を把握しておくことの重要性が強調されました。
• 大原みずほ先生(消化器外科)
 耳鼻咽喉科医である旦那さんと家事・育児をそれぞれワンオペで担いながら、常勤勤務を継続し、大学院進学・留学・学位取得と着実にキャリアを築かれてきたご経験を紹介されました。医学科5年生のときに病気を患い体力に不安を感じ、当初希望していた外科以外の科に入局しましたが、一番やりたいことを再考し、旦那さんの後押しもあって消化器外科へ進路変更された経緯もお話しいただきました。
お二人の講演に共通していたのは、パートナーのキャリアを尊重し、育児・家事を夫婦で分担している点でした。学生にとって、自身のキャリアを考えると同時に、パートナーがいる場合は相手のキャリアも尊重することの重要性を学ぶ貴重な機会となりました。
最後に、タスクフォースにご協力いただいた以下の先生方に深く感謝申し上げます。
小児科・石羽澤先生、緩和ケア科・井上先生、耳鼻咽喉科・大原先生、消化器外科・大原先生、消化器内科・河端先生、眼科・西川先生、皮膚科・野崎先生、遺伝子診療科・蒔田先生
 菅野恭子先生の論文「ワークライフバランスの授業における医学生の意識変化の検討:2012年と2022年の比較」が『医学教育』2025年56巻5号に掲載されました。医学生のWLBに関する意識の変化を比較し、男女ともに育児やキャリア選択に対する姿勢の変化について述べています。

                  二輪草副センター長 菅野 恭子


         
                授業の様子