令和4年度
  「地域を紡ぐ看看連携セミナー」

終了報告

令和4年7月7日(木)

  2022年7月7日(木)七夕に今年度1回目となる「地域を紡ぐ看看連携セミナー」を開催しました。セミナー名を病院看護職と地域の看護職が連携することをよりイメージしやすいように、「かんかんセミナー」から「看看連携セミナー」に変更しています。
第1回は看護職キャリア支援センターと二輪草センターの共催事業として、終息が見えないコロナ禍での広大な北海道で看護職がつながる機会としてオンライン開催としています。
今回は、昨年度の参加者からの提供事例をもとに、当大学病院 地域医療連携室 佐藤温葉看護師を講師にミニレクチャー「希望する生活の実現に向けた準備」、グループワーク「医療依存度が高く、介護力に不安がある場合の在宅移行に向けて」という企画で実施しました。当大学病院看護職14名と、地域からは十勝やオホーツク地区、上川・留萌地区の訪問看護事業所、保健所の看護職21名の申込みがありましたが、当日急な業務調整から15名の参加となりました。
ミニレクチャーでは、当大学病院の「退院支援の3段階プロセス(第1段階 退院支援が必要な患者の把握、第2段階 生活の場に戻るためのチームアプローチ、第3段階 地域・社会資源との連携・調整)」について、患者・家族が退院後の生活をイメージする(できるようにする)ことが大切であり、医療上の課題や生活・介護上の課題を整理し退院時カンファレンスの実施など、事例から具体的にお話ししていただきました。
グループワークでは5グループに分かれ、大学病院の看護職と訪問看護事業所や保健所の看護職で「医療依存度が高く、介護力に不安がある場合在宅移行に向け、どのような準備と連携が必要か」を意見交換しました。コロナ禍で面会も制限され、家族は退院後の生活をイメージしづらい中、入院前と退院前のADLを含めた患者の変化などのギャップを埋める、患者・家族の疾患の受け止めを明確にする、患者・家族が退院後の望む生活を共有する、在宅に向け医療処置など家族の負担を少なくなるよう調整するなどが報告されました。他に、退院前カンファレンスに家族の参加希望や大学病院の看護師も退院し訪問看護を依頼した患者・家族の生活が気になるがどのように確認しても良いものかモヤモヤした気持ちを抱いていたことの発言があり、患者をケアする看護師は、病院・地域での場所は異なっても患者の思いを大切に尊重する気持ちは同じであることを再認識する機会となりました。
セミナー直後のアンケートでは、ミニレクチャーやグループワーク、セミナー全体の評価も満足・おおむね満足、セミナーの活用に関しても今後の業務や看護実践に活用できる・おおむね活用できると回答されていました。また、病院の方が訪問看護はどのようなものなのかということが少しわかってもらえ、連携しやすくなったのかと思う、他の訪問看護事業所も、大変な事例に対応しているとわかり勇気が持てた、とても有意義な時間になった、もっと意見交換したかった等のご意見を頂きました。
これからも病院・地域の垣根を超え、率直な意見交換を行い実践に活かせるようセミナーを企画・開催していきたいと思います。看護と看護をつなぐ・連携する今後のセミナーにもぜひご参加ください。


       看護職キャリア支援職場適応支援担当看護師 平瀬 美恵子

 

     
    ミニレクチャーの様子   グループワークの様子  研修室会場での全体会の様子