平成28年度
  「訪問看護ステーション看護師のための
                生涯学習支援研修」

終了報告

平成28年8月26日(金)・29日(月)2日間




研修会の様子

 この研修は、訪問看護に必要な知識・技術の再習得を支援すること、研修を通して大学病院と訪問看護ステーションの交流を図ることを目的に行っています。
 今年度は、8月26日(金)・29日(月)の2日間の日程で開催し、旭川市内や富良野から5施設7名の参加があり、また、院内からも数名の聴講がありました。
 1日目は、『食べる欲求を支えるケア〜摂食・嚥下リハビリテーション〜』について、言語聴覚士の中澤肇さんより講義がありました。嚥下について、イラストや検査の動画を用いて講義をしていただき、大変わかりやすい資料と内容でした。実際に飲み物やゼリーを使用して摂食・嚥下障害の体験をすることで、摂食・嚥下障害患者のイメージ化につながったと思います。最近では、「老嚥」という健常高齢者における嚥下機能低下をさす概念も使われるようになってきているとのことでした。超高齢社会が進み、老嚥の方が増え、摂食・嚥下障害の患者も増えてくることが予測されることから、早期からの介入が求められると感じました。
 2日目は、『排泄ケアの基礎知識〜コンチネンスケア 排便編〜』について、皮膚・排泄ケア認定看護師の本間美穂副看護師長より講義がありました。排便のメカニズムから排便への具体的な介入方法、排泄障害に伴う皮膚障害の原因と対処方法、認知症の方への排便コントロールについて講義がありました。在宅看護では排便コントロールが必要な患者は、高齢者、寝たきりの患者、終末期の患者、認知症の患者、精神疾患を持った患者、神経難病疾患の患者など、多くの方が対象となっているとのことでした。訪問看護師は一人で、限られた時間内にアセスメントをして対応することが迫られており、利用者一人一人が排便コントロールへの思いも違うため、日々難しさを感じていると話されていました。具体的な症例を共有し、参加者全員で考えることができました。
 在宅では、常に看護師は一人で観察・アセスメント・対応が求められること、個別性にそった対応に苦慮していることを知ることができました。今後も広い視野を持ち、在宅医療を考え、共に学ぶことができるような研修会にしたいと考えています。

            看護職キャリア支援 職場適応支援担当 浅利 尚子