第15回イブニングセミナー
終了報告
日時:2026年5月29日
対象:全職員・学生


大坂 巌先生

セミナーの様子

菅野副センター長
令和8年5月29日、第15回イブニングセミナーを開催いたしました。
今回は、医療法人社団真養会せきがわ病院の大坂巌先生を講師としてお招きし、「聴く力が人を動かす―コーチングから医療現場へ―」をテーマにご講演いただきました。大坂先生には2年前にも本セミナーにご登壇いただいており、推進委員会での協議を経て、再びご講演いただく運びとなりました。
講演では、まず「聴くこと」の重要性についてお話しいただきました。マズローの欲求段階説をもとに、人が持つ承認欲求を満たすことの重要性について解説されるとともに、肯定的なあいづちなどの傾聴技術が相手との信頼関係構築に有効であることをご説明いただきました。また、患者さんを承認する際の建設的な傾聴として、
「参加する」「賛同する」「重視する」という姿勢の大切さについても学ぶ機会となりました。
続いて、コーチングについてのお話がありました。コーチングとは、個人のやる気を引き出し、他者との協力・協働・つながりを促進するためのコミュニケーション手法です。その効果として、①目標達成、②自信の向上、③決断力の向上、④生産性の向上、⑤困難に対する新たな視点の獲得、⑥人生やキャリアに対する満足度の向上、⑦効果的なコミュニケーションスキルの向上が挙げられることをご紹介いただきました。
さらに、コーチングにおいては謙虚な問いかけが推奨される一方で、相手の心理的安全性を確保し、寄り添う姿勢が重要であることについてもお話しいただきました。また、単なる「問い」と「答え」による対話だけではなく、互いの話を補完し合いながら進める「共話」の概念についても解説がありました。協調的なオーバーラップやあいづちの応酬によって相互理解を深めるコミュニケーションのあり方は、医療現場においても大変示唆に富む内容でした。
大坂先生は、言葉の持つ力とその重要性を強調され、「言葉が薬になる」という考えのもと、「言薬(ことぐすり)」という概念を提唱されています。言薬は誰もが処方できるものであり、医療現場において患者さんや医療従事者を支える有効な手段となり得ることをご講演いただきました。
当日は28名の方にご参加いただき、活発な質疑応答も行われるなど、大変有意義なセミナーとなりました。
最後になりますが、ご多忙の中ご参加いただいた皆様、ならびに貴重なご講演を賜りました大坂先生に心より御礼申し上げます。今後も皆様の学びと成長につながる実りあるセミナーを企画してまいりますので、ぜひご参加くださいますようお願いいたします。
二輪草センター副センター長 菅野 恭子