第12回イブニングセミナー

終了報告

                        日時:2023年5月22日オンライン(ZOOM)
              対象:全職員・学生





 「医療現場にひそむアンコンシャスバイアス」と題するセミナーを2023年5月22日、オンラインで開催しました。講師は一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所の太田博子先生で、1時間半にわたり、クイズやアンケートを交えながら双方向性の講演会となりました。アンコンシャスバイアスとは、無意識のうちに“こうだ”ととっさに思い込むことですが、講演参加した2名の学生と39名の職員の多くがこれまで詳しく聞いたことがないと答えていました。
 代表的なアンコンシャスバイアスとして、ステレオタイプ(ある属性に対する先入観や固定観念で、みんなそうだと思い込む傾向)、正常性バイアス(警告のシグナルを軽んじ、このくらい問題ない、と思い込む傾向)、権威バイアス(権威があると思える人の言動に対して、従ったほうがいいと思い込む傾向)、集団同調性バイアス(周りの言動に合わせたくなる傾向)、現状維持バイアス(変化を避けたくなる傾向)などを紹介いただき、自分や周り(医療現場を含めて)にそれがあふれていることに気付きました。
 また、太田先生らが2022年に発表した「がんと仕事に関する意識調査報告書」の内容の一部も紹介いただき、「無理をせず、治療に専念するように言われた」ことが嬉しい人と、逆に戦力外通告のように感じてしまう人がいることなど相手のうけとめかたはひとそれぞれであることをデータをもとに示していただきました。
事後アンケートには19名の参加者からの回答がよせられ、14名からセミナーの内容に非常に満足もしくは満足という評価をいただきました。自由記載欄には「腫瘍患者さんのアンケートが大変参考になった。同じ声かけでも全く違った捉え方がされる事に気づいた。」、「オンラインだったが、アンケートに答えながらの双方向性のセミナーであったので参加している実感があった。」「自分の日常に多数のアンコンシャスバイアスがあることを認識できた。自分自身の傾向にも気づけた。」「今まで知らなかったアンコンシャスバイアスという概念を知ることができ、自分が思っているよりも自分の先入観や価値観で物事を認識していることに気付くことができた。」「あらかじめ対象の個人や団体の考えや姿勢をこうだ、と予想して臨むことは安全、効率化のために必要なことが多いが、社会をよくするため、変えていくためにはバイアスをもたずに接してみることが有効な場面があると考えるようになった。」等、数多くの声がよせられました。今回のテーマが多くの医療職者に好評をいただけたことを主催者として大変嬉しく思います。二輪草センターは、今後も働きやすい職場、学びやすい大学の実現のため、活動を継続しますのでご期待ください。


                  二輪草センター長  山本 明美