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学長挨拶

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旭川医科大学は北海道のほぼ中心の上川盆地に位置する旭川市にある国立大学法人です。キャンパスからは間近に大雪山系と十勝岳連峰を、遠くに北見山地を望むことができ、北海道の広大さを実感できる環境にあります。身びいきを承知で述べさせていただくと、旭川市は人口32.5万人で規模はそれほど大きくありませんが、美しく住みやすい街です。旭川市や近郊の町を訪れた方の多くは空気と水がおいしいことにも驚かれるかと思います。本学は旭川駅の南側15分ほどの丘の上にあり、空港まで約20分で行くことができる良い立地です。全国的に有名な冬期間の寒さによって敬遠されがちですが、市内でもしばしば見られる完璧な雪の結晶や特に冷え込んだ朝のダイヤモンドダストの魅力を知りますと、それほど苦ではなくなるかも知れません。

本学は医師不足を解消するために全国各地に作られた新設国立医科大学の1つとして1973年11月に誕生し、今年で節目となる50周年を迎えます。また、看護学科は1996年に開設され、まもなく30周年を迎えようとしています。これまでの本学の卒業生は、医学科で4743名、看護学科では1558名、合計で6301名となり、北海道だけでなく、日本全国、世界中で活躍し、医学・看護学の発展に寄与し、医療に貢献してきました。さらに、研究者として活躍する人材も多く輩出しています。大学院医学系研究科博士課程(医学専攻)および修士課程(看護学専攻)では多くの学生が日夜研究に励んでいます。

本学は北海道、特に道東・道北地域の医療を支え、向上させることを期待され、設立されました。この50年間で本学を取り巻く社会情勢が大きく変化しましたが、優れた医師、看護職者を養成するとともに、レベルの高い医療を提供することを通じて地域の皆様の病気を癒し、健康を守ることが私たちの最も重要なミッションであることに変わりありません。日本の中でも少子高齢化が最も急速に進むこの地域においてこのミッションを十分に、そして持続的に達成していくことは大変難しい課題であり、これまで通りのやり方では限界があるのは明らかです。現在私たちは、いかにして本学のミッションを達成していくかを大学を挙げて真剣に考え、議論を続けています。幸い、本学では伝統的に学生と教職員の中に地域医療を重んじる校風が根付いていますので、全員で協力して知恵を出し合えば、必ず、本学独自の、そして最先端の解決策を見出せるものと信じております。時代の変換点に置かれ、試練にさらされることで、本学はあらためて文字通り「天命を知る」段階に至ったのだと思います。地域医療の危機を救うために、本学は最前線に立ち、努力を続ける所存です。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。

学長 西川祐司