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現場医師からの応援メッセージ

 

赤坂 和美 先生
(臨床検査医学 内科学講座
循環・呼吸・神経病態内科学分野 循環器内科)

2012年3月

・結婚・出産はいつ頃でしたか?

結婚は大学在籍中最終学年になるとき、出産は卒後7年目のときでした。出産時と主人の留学に同行した時の2回退職しています。
 私自身、妊娠判明後に勤務内容は考慮していただき、現在に至っていますが、2008年のアンケートでは同門の多くの先生も、上司に相談して勤務内容を考慮してもらっていました。

・どのようなサポートが必要だと思いますか?

まず、どのように仕事や子育てをしたいのかという本人の意思を明確にすること、意向を周囲の方に伝え、その希望の実現が可能なのか「仕事のサポート」「育児のサポート」両面について相談していくことが必要だと思います。どのように仕事や子育てをしていくかの選択、あるいは周囲の環境というものは人により様々ですから、必要なサポートは多岐にわたる一方で、今の社会・職場で実際に可能なサポート体制というのは最大公約数的なものではないでしょうか。
 現時点では子育てに関わらず職員の希望に十分対応できる職場は少ないでしょうし、組織の一員として私たちが果たすべき責任もあるでしょうから、理想の仕事内容とはならないかもしれません。その場合は、前向きに妥協するというのもよいかなと思います。個人的には仕事面で多くのサポートをしていただいたので、今後何らかの形で職場に貢献したい、恩に報いたいと考えています。

・両者をバランスよく続けていく秘訣と後輩達へのアドバイスをお願いします。

 よく、「数年後にどのようにありたいか」ということを考えて、具体的に何からやっていくかを考えるとよいといいますね。もしも、いろいろなことに興味があり、数年後のイメージができないならば、私は消去法をお勧めします。短期的視点と長期的視点に立って、削れるものからあきらめていくのです。
 また、他職種よりも勤務時間外での勉強時間の確保が望まれることに配慮も必要ですね。家族内でどのようなサポートが受けられるか、子供の人数などの環境が、ワークライフバランスのとりかたに大きく影響することでしょう。
 仕事も子育ても100%というわけにはいかないので、どのようなバランスのとり方を選択しても、どのような状況においてもメリットもデメリットもあるのだと思います。例えば、サポートが少なければ、家族の一員としての自覚を持ったたくましい子どもに育ち、両親のサポートがあれば、子供は祖父母の愛情を感じて落ち着いた生活ができるなど。ただ、できるだけ負のベクトルを少なくする努力を、当事者である私たちが個々に続けていくことは必要と思います。
 私自身は同門の先輩、同期、後輩、職場の方々や家族はもちろん、お母さん仲間、保育所の先生や小学校の先生、少年団関係者etc・・・多くの方々にお世話になりました。その中で思うことはワークライフバランスももちろんですが、子供を育てる環境や教育(お勉強ではありません)についてです。家庭外でも子供たちのことについて情報を共有し、真剣に話し合うということはとても重要ではないでしょうか。働く父母も、より一層PTA活動や少年団活動などに関わる余裕があるとよいと思います。

・二輪草センター・二輪草プランに期待することは?

現在、サポート体制の確立を、公平な視点で急がれるものから順に進めていただいていることに感謝します。将来は、職場あるいは社会のサポートが、個人の選択の自由に対応できるような、さらには、途中で方向性やバランスのとり方を変えることができるようなシステムになることを期待しています。そのような職場や社会の変化のためには何年もの時間が必要でしょうが、長期的な活動と広い視野は二輪草センターならではのものと思います。

 


2008年アンケートで寄せられた、後輩へのメッセージ

※2008年アンケートで寄せられた、後輩へのメッセージを掲載したいと思います。

  100%の力で動けなくても、必要としてくれる患者さんは必ずいると思うので、制限があるなりに頑張ることは可能です!

  「両立」なんてかっこよくはいかないけれど、どんな形でも仕事をやめないで続けてほしいと思います。

  出産、育児でブランクがあいても、なんとかなるものだなというのが実感です。離婚というおまけまでつきましたが、子供を産んでよかったと心から思っていますし、離婚してもやっていけるという自信があったのはこの仕事についていたからでもあります。(もちろん離婚などしないほうが子供には幸せでしょうが・・・。)

  やる気があれば、そしてサポートをしてくださる多くの熱意のある先生達に巡り合えれば、40歳を越えても、自分のやりたいことの再出発は可能だと思います。じっくりあせらず、でも、自分のやりたいことを見極め、仕事人としてのアイデンティティをやはり大事にして欲しいと思います。“仕事”はプロとしてがんばる限り、最後まで自分を裏切りません。

   熱い思いを持続できれば、自分がおかれた環境との妥協の中にもそれなりの道はあるはず。「あれもこれもこうあるべき、こうしたい」ではどこかにひずみが生まれるでしょうから、「上手な妥協の方法、バランスのとり方」を見つけて、長く続けてほしいと思います。

  仕事の仕方に決まったことはないので、まず希望を伝えてみる。

  周囲から理解を得ることが大事かと思います。

  出産前に取れる資格は早目早目にとった方がいいと思います。でも、色々あっても子供はかわいい!!ことにまちがいないです。周囲の先生とコミュニケーションしていけば、育児中であることの理解を得られるのではないかと思っています。

  卒後最低5年の研修期間をとにかく大事にしてください。

  両立には夫や両親などの協力の他、職場の方々の理解が不可欠だと思います。自分の希望を伝え話し合いをしていけば、きっと納得のゆくところに近づくことができ、充実していると感じる時間を過ごせると思いますので、頑張りましょう!

  仕事に関しては受け身にならず自分のしたいことやビジョンを明確に持って、子供は計画的に、です。

  子供がある程度大きくなるまでは割り切って子供優先に(というかそうせざるを得ないと思いますが・・・・)その分仕事中はできる限りのことを、という感じでやるとよいかと・・・・育児と仕事のストレスは別物なので、両方をするとお互いストレス発散になる部分もあると思います。