周産母子科(産科)
周産母子科(産科)は、妊娠・分娩・児の胎児期から新生児期に関わる診療分野です。 妊娠・分娩は女性にとっての重要なライフイベントの1つであり、その経過は一人ひとり異なるため、産科医師や助産師をはじめとしたチーム医療が求められます。旭川医大周産母子科は、『お母さんと赤ちゃんの安全第一』をモットーに日々診療に励んでいます。
当科の診療は、正常妊娠・分娩はもちろん、道北・道東地区の地域周産期母子医療センターとして他院で管理困難な合併症妊婦や重篤な切迫早産妊婦、胎児疾患などを外来、母体搬送問わず可能な限り受け入れています。
周産母子科(産科)の特徴
質の高い周産期医療の提供を目指して
周産期医療は絶えずアップデートされています。数年前までは当たり前であったことが、大きく変わることもあります。周産母子科チームでは、医学論文から得られる最新の情報や、国内で有数の周産期医療センターでの国内留学を通して、質の高い周産期医療を提供できるよう取り組んでいます。
また、独りよがりの診療にならないように、毎朝チーム内で外来・入院患者さんについてカンファレンスを行っています。週に1度は、新生児科や小児外科、助産師、ソーシャルワーカーなどのコメディカルスタッフが集まり、方針の相談や情報共有に努めています。
あらゆるハイリスク妊婦に対応しています
合併症のある妊婦さんや前回の妊娠経過に異常があった妊婦さんは、妊娠中の管理に専門的な知識を要することがあり、旭川市内のみならず道北・道東地区の周産期施設から紹介を頂いています。早産や妊娠高血圧症候群の再発予防や当院の内科や精神科をはじめとした関連科医師と連携をとりながら、様々なハイリスク妊婦の管理を行っています。
24時間365日にわたって安全な診療体制
ハイリスク妊娠はもちろんですが、順調な経過であった健康な妊婦さんでも、突然合併症を発症したり赤ちゃんの状態が悪くなったりと、緊急の対応を求められるのが周産期医療です。当院では、産婦人科医師や新生児科医師、麻酔科医師が24時間院内に待機しており、緊急手術や母胎の急変に備えています。
医学生や研修医の教育にも積極的に取り組んでいます
大学病院は医学生や研修医の教育機関でもあります。産婦人科医師を希望する医学生が少ないと言われて久しいですが、北海道の周産期医療を守るため、当科では1人でも多くの産婦人科を志す医学生や研修医が増えるよう、積極的に診療に携わってもらっています。外来診療の見学やシミュレーターを用いた産科手技の体験をはじめ、入院患者さんの診察や分娩の見学なども積極的に行っていますので、当院を受診する妊婦さんのご協力をお願いしています。
診療内容
- 妊婦健診
 - 超音波検査(胎児スクリーニング、胎児心エコー)
 - 胎児MRI検査
 - 合併症妊婦の管理
 - 胎児疾患の管理(胎児治療を要する疾患や高度侵襲のある手術が必要な胎児心疾患は札幌へ紹介しています)
 - 多胎妊婦の管理
 - 早産既往のある妊婦への早産予防(黄体ホルモン投与)
 - 妊娠高血圧症候群や早期の胎児発育不全の既往のある妊婦の妊娠高血圧症候群・胎児発育不全の再発予防(低用量アスピリン投与)
 - 遺伝カウンセリング、出生前診断(NT計測、絨毛・羊水検査)
 - 妊産婦の体組成測定(研究に同意された方のみ)
 
診療実績
| 2021年 | 2022年 | |
|---|---|---|
| 分娩数 | 346 | 281 | 
| 帝王切開数 | 129 | 131 | 
| 早産数 | 53 | 38 | 
| 多胎分娩数 | 21 | 10 | 
外来診療
周産母子科の外来は予約制です。円滑な外来診療を行うために、初診の方には他院からの紹介状を持参し、地域連携室を通して予約していただくようにお願いしています。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 午前 (8:30-11:30) (担当医)  | 
					新・再来 金井  | 新・再来 石川/担当  | 新・再来 横浜  | 新・再来 中西  | 新・再来 吉澤  | 
				
| 午後 | 1か月健診 (13:00-)  | 胎児スクリーニング (14:00-16:00)  | 胎児心エコー (15:00-)  | 胎児スクリーニング (14:00-16:00) 遺伝カウンセリング  | ななかまど外来 (第3金曜日)  | 
				
- 新・再来:分娩予定日が決まる前の妊婦さんの診察や、一般的な妊婦健診を行います。お母さんの健康状態はもちろんのこと、毎回超音波検査を行い、胎児発育や羊水量も確認しています。
 - 助産師外来(ママニティ外来):妊娠中期~後期の妊婦健診の数回を助産師が診察を担当します。
 - 胎児スクリーニング外来:妊娠20週および30週頃の2回にわたって、超音波検査で胎児の形態異常がないかを確認しています。妊婦健診とは別に、別途費用(5,000円)を頂いています。
 - 胎児心エコー外来:当院の胎児スクリーニング外来や他院の診察で胎児心疾患が疑われた妊婦さんが対象です。当院の小児循環器科医師による超音波検査による精査を行います。心疾患の程度によって、札幌の周産期施設に紹介することがあります。
 - ななかまど外来:他院で妊婦健診を受けている妊婦さんの胎児スクリーニング外来です。
 
周産母子科担当医師
| 医師名 | 役職 | 資格 | 卒業年次 | 
|---|---|---|---|
| 横浜 祐子 | 助教 | 日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医 臨床遺伝専門医  | 平成10年 | 
| 金井 麻子 | 助教 周産母子センター副センター長  | 日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医 日本周産期・新生児医学会周産期(母体・胎児)専門医・指導医 日本超音波医学会超音波専門医・指導医 臨床遺伝専門医 Fetal Medicine Foundation認定 NT・NB・TR・DV・PE資格 日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター ALSO認定インストラクター PC3(ピーシーキューブ)インストラクター 母体保護法指定医 北海道災害時小児周産期リエゾン 医学博士  | 平成15年 | 
| 吉澤 明希子 | 助教 | 日本産科婦人科学会産婦人科専門医 日本周産期・新生児医学会周産期(母体・胎児)専門医 胎児心エコー認証医 母体保護法指定医  | 平成17年 | 
| 中西 研太郎 | 助教 医局長  | 日本産科婦人科学会産婦人科専門医 日本周産期・新生児医学会周産期(母体・胎児)専門医 母体保護法指定医 北海道災害時小児周産期リエゾン 医学博士  | 平成22年 | 
| 石川 雄大 | 診療助教 | 日本産科婦人科学会産婦人科専門医 日本医師会認定産業医  | 平成29年 | 
| 影近 瑠唯 | 医員 | 日本産科婦人科学会産婦人科専攻医 | 令和4年 | 




