月経諸症状

月経について

月経に関しての定義と正常月経について示します。

年齢別の月経状況は、40歳ころから不規則になり、57歳頃には全ての女性が閉経を迎えます。

現在は、出産数が減ったことから、生涯の月経回数は400~500回といわれています。

     

月経異常に関して

月経の異常としては、様々な分類がありますが、大きく分類すると「期間」「サイクル」「月経血量」「疼痛」「体調」の異常に分類できます。

各異常については参照ください。

治療について

対処療法、排卵抑制療法、漢方療法などがあり、当科ではすべての治療を行っています。

特に、排卵抑制療法である低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤は、初潮開始後の女性から使用することができ、また、アスリートの女性にも使用可能です。(ドーピング違反になりません。) 月経諸症状で、困っている女性は、是非、当科外来受診をお勧めします。

更年期

更年期について

40歳代後半から50歳代前半にかけて女性のからだは大きく変化します。(図1)

最近、のぼせ、ほてり、不眠、急激な発汗、疲れやすい、うつ状態、物忘れ、皮膚の張りの減少、めまい、腰痛などで悩まれていましたら更年期症状のはじまりかもしれません。(図2-1、2-2、2-3)

     

こんな出来事が現れたら黄色信号!

更年期症状は、閉経後に出現するものと考えがちですが、閉経の数年前から症状は出現します。(個人差は、もちろんあります) 更年期における女性ホルモンの低下により前記の症状以外に高脂血症、心血管系疾患、骨粗しょう症等が出現することがあります。最近、以下の出来事が現れたら黄色信号です。

  1. 職場の血液検査でコレステロールが高いと言われた。(図3)
  2. 血圧が高くなってきた。
  3. 骨密度の検査をしたら年齢平均より低い。

放置してはいけません。治療を早期に開始し、快適な更年期をすごしましょう。 隠れた病気も、あなたはそのままにしているかもしれません。簡便に自分の状況を調べるため自分の症状を調べてみてください。

51点以上のみなさん、「どうしよう、どうしよう」と悩む前に一度外来に来院してください。

更年期治療はどのようなことをしているか

当科における更年期治療は、女性ホルモン補充療法、漢方薬療法、高コレステロール治療、骨粗しょう症治療などをおこなっています。 また、症状が強い場合や更年期障害以外の疾患を疑う場合は、他科の先生方の協力もえながら治療をおこなっております。(隠れた病気の早期解決につながることもあります)

ホルモン補充療法はこわくない?

女性ホルモン補充療法に対して「副作用として癌になりやすいのでは」という質問をよく耳にします。多くの研究が行われており、確かに乳癌の発生は、長期使用により若干増加すると報告されています。 しかしながら、子宮内膜癌は黄体ホルモンと併用で減少、卵巣癌はやや減少、子宮頚癌・肝臓癌・大腸癌・甲状腺癌は変化がありません。 従って、当科では、乳癌に対し、更年期治療を受けられる患者さん全員に1年1度の乳癌検診をしてもらっています。(女性ホルモン補充療法をしていない人においても乳癌は発生します。乳がん検診受けていない場合、重症化している場合も多いのです。)女性ホルモン補充療法の利点・欠点を充分に理解し説明を受け治療をうけてください。 当科外来では、初診時に詳しい説明をおこないますので受診時は気軽にご質問等ありましたら申し出てください。

治療ですぐに治りますか?

当科では、患者さんにあった治療を選択していきます。しかしながら、更年期症状は、個人差・症状内容も複雑で、すぐに治すことは難しい場合もあります。症状は日々変化しますので外来では、症状を詳しく医師にお伝えください。治療方法は、多数あり必ず自分にあった治療法がみつかるはずです。 症状が治った場合も、自己判断で中止した場合症状が再度出現する場合が多く認められます。長期治療であり、じっくりと治療していきましょう。 また、「中止時期はいつですか」という質問もきかれます。まだはっきりとした報告はありません。当科では年齢制限はなく、その点からも、中止する時期を決めず、一生お付き合いが可能と考えています。

当科では、月曜日(9:00-12:00)と火曜日(9:00-16:30)に ラベンダー外来【月経諸症状・更年期障害】を開設しています。