学長挨拶


吉田晃敏 学長

 本日は教職員をはじめ、学生さん、現在休業中の医師、看護師の方々にもご出席頂き、有難う御座います。
 大学病院の中核を担っているのは、医師・看護師ですが、近年、女性医師の割合が、年々増加しており、また、将来医師となる本学の医学科の学生も、女性が3割以上を占め、学年によっては4割を超えています。 このことからも、女性の医師や看護師が、働きやすい環境を作ることが、大学病院の最も重要な課題であることが分かります。
 そこで本学は、文部科学省の平成19年度の「女性医師・看護師の臨床現場定着及び復帰支援公募事業」に、皮膚科の山本准教授をリーダーとして、ワーキンググループを設置しました。そして、まとめ上げた、「育児と介護をささえるオールホスピタル計画−5段階教育プログラム「二輪草プランで安心復職」で応募した結果、見事採択されました。
 二輪草センターは出産、育児及び介護のために休業中や休業予定の医師や看護師等を対象に、大学病院への復職に際して、必要な情報提供及び自学支援を実施し、医師、看護師等の円滑な復帰推進を行うことを目的として、昨年10月1日に大学病院内に設立されました。
油野センター長をはじめとする「二輪草プラン」推進委員会のメンバーのご尽力による当センターのプランは、後ほど詳しくご説明があると思います。当センターの大きな目的は、過酷な医療現場にあって、「よき医療人でありながら、よき家庭人でもありたい」という人間として当たり前の希望を叶えることにあります。
 当センターによって出産・育児・介護という貴重な体験をした医療人の臨床現場への復帰が促進されることや、出産などを控えた医療人の職場定着など、大学病院が提供する医療の質の向上が大きく期待されます。現在、本学では、医師不足、とくに勤務医不足による医療崩壊をいかに防ぐかに、全力を注いでいます
 また、医療の質を確保するためには看護師確保も大きな課題となっており、安心して働ける職場環境の確保が急務です。
 この二輪草センターが旭川医大病院職員にとって、より働きやすい病院となるシステム作りに貢献してくれるものと確信しております。
 今後、何もしなければ、出産・育児・介護と仕事の両立に悩まされる職員が、益々、増えていくことと思われます。そのような職員がキャリアの継続を断念することのないように、センターの活動を大学として応援していきたいと強く思っております。
 最後に本日は、緊急サポートネットワーク北海道の小西さまや、女性医師や看護師の出産育児休業からの職場復帰支援に積極的に取り組んでいる和歌山県立医科大学、岡山大学の皆様にも、ご出席いただいております。後ほど貴重なお話をいただけると楽しみにしております。
 本日は、どうぞよろしくお願い致します。